出版社内容情報
「だいこん屋」はまさに、私の青春そのものだった。――逢坂剛
捕鯨船の船長は、「酒力」と「酒場術」を恃みに陸にあがった。
阿佐ヶ谷に五十年つづく名酒場・だいこん屋主人による、酒と俳句の日々。
拙稿の花暦の種は、阿佐ヶ谷を中心とした細道の迷路を、何年も徘徊して拾ったものです。はじめは車の通らない裏道を択って歩いていたのが、次第に更に細い道、知らない道と択ぶようになった結果なのです。 われわれ酒場稼業の者で、自身も酒好きな人間は、目覚めた時はまだ前日の酒が残っていて、すぐ食事を取る気にはなれません。ところが一時間ばかり速足で歩くと食欲も湧いてきます。道筋に咲く木や草の花に接することで、俳句を拾うチャンスに恵まれる利がありますし、一度覚えた木々の開花を、毎年訪れてみる楽しみもあります。
(「まえがき」より)
内容説明
捕鯨船の船長は、「酒力」と「酒場術」を恃みに陸にあがった。阿佐ヶ谷に五十年つづく名酒場・だいこん屋主人による、酒と俳句の日々。
目次
「酒力」と「酒場術」だけが頼りだった―まえがきにかえて(松本純)
わが青春のだいこんや(逢坂剛)
句集 人地天
阿佐ヶ谷歳時記 春
阿佐ヶ谷歳時記 夏
俳諧雑草
阿佐ヶ谷歳時記 秋
阿佐ヶ谷歳時記 冬
一草園茫々
句集 昭和老人経
阿佐ヶ谷今昔
松本純の思い出―あとがきにかえて(松本昭子)
著者等紹介
松本純[マツモトジュン]
1936年9月10日東京都練馬区に生まれる。2023年8月1日河北総合病院にて死去、享年八十六(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。