内容説明
最新の脳科学の知識をふまえた介護の負担を減らす方法から、認知症を治す薬の最新事情までを、幅広く、そして、できるかぎりわかりやすく解説。世界の認知症研究の最前線を取材した医学部卒ＮＨＫディレクターが書き下ろす、本当に役に立つ治療・介護・予防の最新常識。
目次
第１章 「認知症は病気である」の誤解
第２章 「認知症は予防できない」の誤解
第３章 「認知症になると全て忘れてしまう」の誤解
第４章 「認知症、早期発見」の誤解
第５章 「認知症の介護には希望がない」の誤解
第６章 「認知症は薬で治る？治らない？」の誤解
著者等紹介
市川衛［イチカワマモル］
ＮＨＫディレクター。１９７７年、東京都生まれ。２０００年東京大学医学部卒業後、ＮＨＫ入局。２００８年、東京大学医学部非常勤講師。医学・健康分野を主なフィールドとして、世界の最新研究の取材を行う。「認知症」「脳科学」などをテーマにした講演経験多数（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
でんか
6
2012年時点での最新常識…なので、ちょっと年数経ってますが、どうなんだろう、特効薬が出たと聞かない気がするぞーアルツハイマー。誰か早く見つけてください。お願いします。（といって、もう見つかっていたら勉強不足ですみません)。本そのものは、読みやすく、一通りのことが分かるようになっています。2017/11/09
sayzk
4
論理的に解り易く読めます。いい本だと思います。しかし、世間の漂う「笑顔礼賛」にちょっと不快感を持つ私には、その笑顔の効用を説くくだりに抵抗感が出てしまった。2016/10/14
のり
4
多くの人が認知症について正しく知らないため、症状を悪化させたり介護負担を増やしている。認知症の原因は70種類以上。トイレドアにトイレの写真を貼ると、排泄行動が生まれやすくなりトイレでの排泄が成功する確率が高まる。一見理解不能な行動にもきちんとした理由がある。「何があったか、何を言われたか」については忘れてしまうが、その時の気持ちだけは蓄積していく。鏡のように感情を映し出す。つじつまの合わない会話も「そうなの」で対応。認知症になった夫から「私と一緒になってくれませんか」と言われた言葉が心に残りました。2015/12/18
紅茶豆
2
認知症のアミロイド仮説、現在の治療の限界、扁桃体の活性化、将来の治療の展望などなど、詳しく書かれており、勉強になりました。特に、生活環境、生活水準が、認知症の罹患を左右する観点、「ナン・スタディ」は興味深い研究だと思いました。認知症は、原因は解明されておらず、治療法が確立されていない疾患であり、超高齢社会の日本にとって付き合わなければいけない疾患だからこそ、介護・理解に努めなけらばいけないと感じました。 原因解明されたら、ノーベル賞ものでしょうね。2013/01/13
ときのき
2
面白かった。「どう読み解く 認知症の予防情報」のくだり、アミロイド仮説のくだりが特に勉強になった。あれって仮説だったのか。認知症の捉え方の最新事情とともに、プライミングなど、すぐに使えそうな知識もあり、良かったなと。2012/12/12
