出版社内容情報
「英雄的ゲリラ」と題されたあの写真はどんな状況で撮られたものだったか。ゲバラやカストロの思いがけぬ素顔を明かし、キューバ革命初期の躍動的な鼓動を伝える87枚の写真に加えて、写真とゲバラの関わりについての文章「写真解読のための註」など豊富な資料を備えた
〈時代を読む〉写真集。
文=太田昌国「チェ・ゲバラと私たちの時代」
一、その思想を風化させないために
二、色あせぬゲバラの思想・感性・生き方
三、ゲバラと朴慶植さんの運動と死
アルベルト・コルダ写真展ポスター
内容説明
本書は、キューバの写真家アルベルト・コルダが、1959年のキューバ革命直後の数年間に撮影した写真の中から、エルネスト・チェ・ゲバラを被写体としたものを第1部に、フィデル・カストロをはじめ同時代を生きていた人びとを捉えた作品を第2部にまとめたものである。作品の選択はコルダ自身が行なったが、従来キューバ、メキシコ、イタリアなどで刊行されているコルダ写真集とも異なる、独自の版として成立している。写真を解読するための註と文章によって多面的に構成。
目次
写真家コルダとチェ・ゲバラ(ハイメ・サルスキー)
第1部 語り、遊び、働き、物思うゲバラ
第2部 革命キューバの顔、顔、顔…
写真「解読」のための補註
チェ・ゲバラと私たちの時代(太田昌国)
コルダ写真集『エルネスト・チェ・ゲバラとその時代』のために(編集部)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DIVERmope
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ゲバラのポートレートを撮影したキューバの写真家コルダが撮影したカストロ、ゲバラの写真集。今回二度目の再読。タイトルではゲバラを出しているが、コルダはカストロ付きの写真家だったので、写真の割合はゲバラよりカストロのほうが若干多い。モノクロ写真なので光量が分かりにくく絵が荒いが、それがモノクロ写真の味であり、ノスタルジアを感じる。ゲバラの魅力である知的な内面と確固たる意思、姿勢が写真を通じて語られるため、彼の存在がより現実的で人間的なものに見えてくる。読書に耽る彼の背中にはどんな宇宙が広がっていたのだろうか?2011/09/04