出版社内容情報
警察のズサンな見込み捜査。それに疑念を抱きつ
つ、警察に追随する検察。自白の信用性や凶器の特
定に疑問符をつけつつ、死刑判決を下す裁判所。日
本の刑事裁判の現場は、メンツにこだわり、勘と感
性が驚くほど鈍く、したがって人権を軽んじ、「常
識では考えられない」ことを平然とおこなう、警
察・検察・裁判所が一体っとなった、愚者の<三角
地帯>と化している。本書は、1988年、横浜鶴見で
起こった金融業者夫婦殺害・強盗事件の被告の弁護
人が、被告の冤罪を晴らすために、執念をもって書
き上げた怒りの書である。
内容説明
1988年、横浜鶴見で起こった金融業者夫婦殺害・強盗事件。警察はズサンな見込み捜査で「犯人」をデッチ上げた。検事は犯人像に疑念をもちつつ、警察に追随して被疑者を起訴した。裁判所は自白の信用性にも凶器の特定にも疑問符をつけつつ、死刑判決を下した―ほかならぬこの国で起こっている、刑事裁判の恐怖の現実を、「被告」の冤罪をはらすために、弁護人が明らかにした怒りの書。
目次
第1部 事件の解剖(事件;捜査;公判;被告人の弁明―「無罪の推定」原則の適用;潔白の証明―その一「被告人の非犯人性」)
第2部 判決の分析
第3部 真相解明(他の犯人性;潔白の証明―その二「アリバイの存在」)
第4部 誤判の構造