出版社内容情報
虐げられた者の視線を体現する、聖人=賢人=愚者とし
てのモハ。彼の口を通して語られる魅力あふれる愛と
死の物語が、マグレブの現在を浮き彫りにする。
内容説明
本書は、78年に発表されたもので、社会構造の大きな変わり目を迎えた70~80年代のモロッコを背景にした「愛と死」の物語を通して、ひろく、どのイスラーム社会にも渦巻く前近代と近代・男の女の相克の姿を、コラージュの手法で描きだしている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roy
11
★★★★★ 風刺的作品だ。この本の素晴らしさは、風刺色が強いという事だけではなく、文章も詩的でとげとげしく、美しいという事だと思う。モハは賢いが故に道化と化し、様々な弱者の叫びを代弁する。真実を語る者はいつだって多数の嘘つきの前では、ただのピエロだ。あとがきに「言葉を射精する」とあったが、まさしくその通り。排出された無数の文字がこの本の至る所に散らばっていた。2009/01/25
つばな
0
うーん、わたしにはちょっとむずかしかったかな・・・。すばらしい作品だとは思います。客観的に。2011/07/30