出版社内容情報
1980年代からはじまった美術館建設ブーム。だが、皮肉なことにちょうどその頃から美術は猛烈なスピードで美術館といういれものから遠ざかりはじめた。
内容説明
脱構築のアートとはなにか。現代美術の最前線を探る。80年代以降、日本では美術館の建築ブームがつづいている。しかし、皮肉にもちょうどその頃から、美術は猛烈なスピードでギャラリーから遠ざかっていった。美術も空間も、どこまでも限りなくアウトラインを喪失させていく。それは、建築によって象徴された知の体系からの逃走である。
目次
美術館よ、さようなら―建築と美術の狭間で
路上の誘惑―転写されたバリケード
土砂崩れの詩学―ランド・アートの系譜
解体への助走―場(トポス)をめぐる突然変異
建築を彫刻する―反建築家ゴードン・マッタ=クラークの場合
書割りになった町並み―ファサードにかぶさる非建築的言語
不法占拠された都市景観(タウンスケープ)―川俣正とメディオ・コスモス
よみがえる廃棄空間―上棟式の逆転写〔ほか〕