内容説明
驚きに満ちていて悲しい。それが旅だった。オーストラリアとスリランカ。遠く隔たった二人の主人公の半生と束の間交錯するその道のりが紡ぎ出す、現代世界をめぐる「旅」の諸相。各国の批評家から絶賛され、著者を一躍世界的作家に仲間入りさせたオーストラリア現代文学屈指の傑作、待望の邦訳。
著者等紹介
ド・クレッツァー,ミシェル[ドクレッツァー,ミシェル] [de Kretser,Michelle]
1957年、スリランカ生まれ。後に内戦に発展する国内の民族的対立を避けて、14歳のときに両親とともにオーストラリアに移住する。パリとメルボルンで高等教育を受け文学修士号を取得。大学講師、書評家、旅行ガイド編集者としての活動を経て、1999年より自作の小説の発表を始める。長篇小説二作目のThe Hamilton Case(2003)でコモンウェルス文学賞、王立文学協会アンコール賞などを受賞。続くThe Lost Dog(2007)ではニューサウスウェールズ州最優秀作品賞、クリスティナ・ステッド創作賞、オーストラリア文学協会ゴールドメダルなどを受賞し、複数の国際的な文学賞にもノミネートされるなど高い評価を得た。『旅の問いかけ(Questions of Travel)』(2012)と次作The Life to Come(2017)で、オーストラリアでもっとも権威が高いとされる文学賞、マイルズ・フランクリン賞を二度受賞。その動向が国際的にも注目される、現代オーストラリアを代表する小説家のひとり
有満保江[アリミツヤスエ]
同志社大学名誉教授。日本女子大学大学院文学研究科(英文学専攻)、オーストラリア国立大学(オーストラリア文学専攻)修了、文学修士。「オーストラリア現代文学傑作選」シリーズ(現代企画室、2012‐)の企画・監修を務める
佐藤渉[サトウワタル]
立命館大学法学部教授。立命館大学文学研究科修了(文学博士)。専門はオーストラリア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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