ロス・クラシコス<br> 怒りの玩具

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ロス・クラシコス
怒りの玩具

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784773815153
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

内容説明

稀代の大悪党に憧れ、発明を愛する誇り高き少年が、貧困に打ちのめされた果てに選びとった道とは?貧しい移民の子としてブエノスアイレスに生まれたアルルト(1900‐1942)の自叙伝的小説。都市とそこに生きる孤独な人間の葛藤、下層労働者の「その日暮らし」をみずみずしいリアリズムで描き出す。今なおスペイン語圏各地で熱狂的に支持される、「現代アルゼンチン小説の開祖」の代表作!

著者等紹介

アルルト,ロベルト[アルルト,ロベルト] [Arlt,Roberto]
1900年、ブエノスアイレスの移民家庭に生まれる。10歳で義務教育も終えることなく放校処分となった後、書店員、レンガ職人、ペンキ職人、港湾職員などを転々としながら創作を始める。1926年に『怒りの玩具』で文壇にデビュー。1928年から『エル・ムンド』紙のコラム「エッチング」を担当し、人気記者となる。長編小説のほか、多くの短編小説や戯曲を残した。1942年に心臓発作を起こして急死。生前の評価は高くなかったものの、現在ではアルゼンチン文学最高の小説家の一人に数えられている

寺尾隆吉[テラオリュウキチ]
1971年名古屋生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。メキシコのコレヒオ・デ・メヒコ大学院大学、コロンビアのカロ・イ・クエルボ研究所とアンデス大学、ベネズエラのロス・アンデス大学メリダ校など6年間にわたって、ラテンアメリカ各地で文学研究に従事。政治過程と文学創作の関係が中心テーマ。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ユーカ

26
「心の地平線」という言葉が出てくる。少年はそれが見たいと気がふれたかのように、火を噴くマシンガンのごとく語るが、自分の「心の地平線」には何があるのだろうかと考えてしまった。アルルトという作家は、貧困を生き、職を転々とし、それでも情熱を持って小説を書いた人だという。少年の叫びはアルルトの叫びだ。叫んだからといって成し遂げられるわけじゃないけれど、叫ぶくらいの情熱は必須だ。少年の地を這うような冒険物語にきらびやかさは微塵もない。だからこそ読み終えた時に「共に冒険をした」と腹にズシンとくる感慨がある。2016/04/20

スミス市松

19
アルゼンチンの下層労働階級を生き抜いた作家の幼年期を描いた自伝的小説。ルゴーネスやボルヘスらが席巻していた当時の文壇からすれば異端であり、彼らに圧倒されたリカルド・ピグリアら後続の作家たちに愛されたのも頷けるが、たとえば車谷長吉などの日本の私小説、あるいは大江や中上の初期短編と比較してもその自意識の烈しさは幾段か落ちる。不毛な仕事に身をやつす屈辱感とそこから生まれ出る瑞々しい抒情、逆説的転落の末の「心の地平線」への到達には目を瞠るものがあるが、翻訳の違和感も含めて、精神の自由を拡張させるほどではなかった。2019/02/08

刳森伸一

8
貧しい労働者階級生まれの作者による自伝的青春小説。自分が特別でありたいという思いを抱きつつも何者にも成れない作者が最後に選択した裏切り者のユダという道。それは少年時代からの憧れであったアウトローとの決別であり、子供が持つ純粋な夢に対する裏切りを意味するのだと思う。しかし、それが作家として自己を形成するために必要な第一歩だったのではないだろうか。良くも悪くも整った訳文と内容の齟齬に違和感を覚えなくもないが、印象深い佳作であることは間違いない。2021/02/20

gu

8
リカルド・ピグリアの「アルルトの作品があったからこそ我々はボルヘスの存在に耐えられたのだ」という言葉からボルヘスと並行して読んでみた。一章の少年小説じみた展開が意外だった。何者にもなれない鬱屈に共感しそうになり、語り手が出会う人々の浅ましさや賑やかさに笑った。ボルヘスには最初から図書館が与えられていた。時には宇宙サイズの。本人が現実に図書館長に就任した時盲目だったという皮肉はあるとしても。アルルトにはそうではなかった。一冊の本が世界を包含しない代わりにどうしようもない人生の中に確かに本があった。2015/11/05

nightowl

7
何者かになりたいと思いつつ、職を転々としつつ忸怩たる思いを抱える少年の彷徨。半自伝的文学でありながら、ラテン文学によくある饒舌さがなく短い間隔で段落分けされておりあっさり読める。また、女誑し要素も無い。訳者あとがきによると十五歳の頃読んだアルゼンチン作家から絶賛されているように、思春期に手に取ったら確実に心に残る一冊。バランス感覚が良く周りの友情に支えられているのに葛藤が激しい主人公の姿に皆川博子作品をふと思い出す。2018/03/28

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