内容説明
1916年、南米チリに生まれた少年は、幼くして“図書館”という魔法の世界を発見した。読み書きも覚束ない状態で“稲妻”という言葉の響きに心を打たれ、それが「崩れ落ちる空一面に広がる美しい花火より」大きな力を秘めていることを直感した。長じては、美しい牧歌的な風景と太平洋に広がる無限の地平線に恵まれたチリの自然によってその感性を育まれた―やがて彼は、日常的な出来事を根源的に探究する場として「詩」を綴る、20世紀チリを代表する詩人となった…。
目次
第1部 言葉と詩
第2部 欲望と愛
第3部 生と死
第4部 放浪と風景
第5部 謎
第6部 人相書き
著者等紹介
ロハス,ゴンサロ[ロハス,ゴンサロ] [Rojas,Gonzalo]
1916‐2011。1916年、チリの漁村レブに生まれ、コンセプシオンで初等教育を受ける。1937年、首都サンティアゴへ移り、チリ大学法学部に入学したが、文学書を読み耽る。法学研究を中絶し、教育研究所に入る。同時に、シュルレアリスムのグループに接触。首都での生活に嫌気がさし、北部のアタカマ砂漠地方で鉱山労働者に読み書きを教える日々を送ったりした。1947年にはバルパライソで教員となり、スペイン語や哲学を教える。48年に第1詩集『人間の惨めさ』を発表。2011年サンディアゴで没
サンブラーノ,グレゴリー[サンブラーノ,グレゴリー] [Zambrano,Gregory]
1963年、ベネズエラのメリダの生まれ。ベネズエラ・ロス・アンデス大学でイベロアメリカ文学修士号取得の後、メキシコのコレヒオ・デ・メヒコ大学院大学で文学博士号取得。ロス・アンデス大学メリダ校人文学部教授、国際交流基金日本研究フェローなどを経て、東京大学教養学部准教授。安部公房のスペイン語訳に協力し、スペイン語で安部公房に関する研究書を執筆している
寺尾隆吉[テラオリュウキチ]
1971年名古屋生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。メキシコのコレヒオ・デ・メヒコ大学院大学、コロンビアのカロ・イ・クエルボ研究所とアンデス大学、ベネズエラのロス・アンデス大学メリダ校など6年間にわたって、ラテンアメリカ各地で文学研究に従事。政治過程と文学創作の関係が中心テーマ。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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