内容説明
両親が残した人形を作る仕事を続けながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディーは、人形を作るときいつも、四角く切られた木っ端ではなく、森で拾った枝を使っています。それじゃないと「生きている」感じがしないからです。ただの人形、と友だちのオームスに笑われてもひとつひとつに心をこめて、ていねいに仕事をしています。そんなある日、お気に入りの店で、ゴールディーは今までに見たこともないほど美しい中国製のランプを見つけます。そしてすばらしい出会いをすることになるのです。
著者等紹介
ゴフスタイン,M.B.[ゴフスタイン,M.B.] [Goffstein,M.B.]
1940年、アメリカ合衆国ミネソタ州セントポール生まれ。ニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
97
亡き両親から受け継いだ木彫りの人形作りという仕事。ゴールディーのつくる人形はこの上ないほほえみを浮かべ、手にした人を魅了する。それは彼女が本当に人形作りを愛し、打ち込んでいるから。作者のゴフスタインもまた絵本作家という仕事を本当に愛しているのだろう。ものをつくることの喜びとその意義を教えてくれる絵本。2018/02/01
kiisuke
28
何度も借りて読んでいるお気に入りの本。読友さんのレビューをみてまた読みたくなりました。同じ本でも毎回少しずつ感触が違いますが、今回また好きになった気がします。木彫りの人形を作る職人さんのお話です。心を込めて丁寧に仕上げられるそのお人形は生産が間に合わないくらい大人気。どんな分野においても素晴らしい仕事をする人には何処か妥協を許さないような共通点を感じます。自分を信じて好きなことに真っ直ぐに向かう姿勢のような…。そんなふうに打ち込める何かを持って進めることに憧れます(*´︶`*)挿絵も素敵で和める一冊です。2015/04/30
ヒラP@ehon.gohon
27
人形作家の生活が淡々と描かれているのですが、とても温もりのある作品です。 木々の素材から人形を見つけ出すという感覚は、一体一体を丹念に作り上げていくことに他ならないでしょう。 高価な中国製のランプをためらいなく購入する直観力も、 本物志向。 それがさりげなく自然体なのが、温もりにつながっているのでしょう。 なんだか、まったりとコーヒーでも飲みながらくつろぎたい絵本です。2015/05/03
ふじ
20
ゴフスタインの淡々として芯があり、かわいい。そんな世界にはまっています。今回は人形職人。両親から受け継いだ娘は、両親以上に仕事に魅了され、人形たちを大事に作る。洗練されたものづくりの良さがわかるからこその絵本なんだろう。「打ち込めるものがある幸せ」。そんな背中をみて育ったという作者の言葉に、気持ちが引き締まる思い。2019/06/06
ひめぴょん
16
笑顔が人気の秘密になっている人形作りをするゴールディ。ノコギリで切ってあるきれいに四角くなっている木は本物のような気がしない、生きているような気がしないというこだわりを持つ。 仕事とは何か?お金で何かを買うことは何を表現しているのか? 自分が信じるすばらしい何かを作り出すために黙々と働く人の美しさと尊さを表現したいと作られた物語。かなりおすすめ! 2023/10/27