内容説明
いま、切実な問いは「芸術は何か」というかたちではなく、「芸術はどこまで混乱を生みだせるか」というべきなのだ。(本書より)1970年前後、時代の変革期になされた、今こそ読みかえすべき鮮烈な思考。
目次
第1章 見るということ(見ることの神話―まえがきにかえて;「見る」ことについて ほか)
第2章 手仕事を超えて(現代のアルスについて;現代芸術と「美」の陥穽―水尾比呂志氏『美の終焉』への疑問 ほか)
第3章 ジャンルへの問いかけ(イラストレーションと文化の顔;デザイン化と絵画化 ほか)
第4章 アイディアの自立(芸術は裁かれうるか―模型千円札事件;模型について ほか)
著者等紹介
中原佑介[ナカハラユウスケ]
1931年8月22日、兵庫県神戸市に生まれる。本名・江戸頌昌(えどのぶよし)。神戸市立成徳国民学校、兵庫県立神戸第一中学校を経て、1948年、旧制第三高等学校理科に入学。学制改革に伴い、翌年京都大学(新制)理学部に入学する。1953年同物理学科を卒業、同大学院理学研究科に進学し、湯川秀樹研究室で理論物理学を専攻した。1955年、修士論文と並行して書いた「創造のための批評」が、美術出版社主催第二回美術評論募集第一席に入選したのを機に美術批評の道に進む。京都精華大学学長、水戸芸術館美術部門芸術総監督、兵庫県立美術館長、美術評論家連盟会長などを歴任。2011年3月3日、79歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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