著者等紹介
陳雪[チェンシュエ]
本名は陳雅令。1970年台湾台中生まれ。国立中央大学中文系卒。最初の作品集『悪女の書』(1995年)は夜市で服の販売をするかたわら創作されたもので、クィア小説として注目を集めた
白水紀子[シロウズノリコ]
1953年福岡県出身。東京大学大学院修了後、1986年より横浜国立大学勤務。現在横浜国立大学大学院都市イノベーション学府教授。この間に北京日本学研究センター主任教授、国立台湾大学客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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100名山
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主人公の呼称は少女、彼女、私と流動し、時代は30年前の台湾の屋台街の少女時代、大学を出てからの屋台街、数年前のアメリカ、高層マンションに住む現在と めまぐるしく変わります。 しかし主人公の整理やストーリーの整理など必要なく、どんどん読み進めるのが 作者の意図する世界に入っていけるような気がします。 そして多様な性的描写は見落としてしまう程に昇華されています。 この小説を著者に書かせた動機はラストで分かります。 枠や常識に拘っていては楽しめない作品です。 2012/01/08
Atsushi Sakamoto
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これは本当に読んでいて浸ってしまう小説でした。半自伝的小説だけれども、作者はあくまでもフィクションを主張。夜市でカセットテープを売るため、大声で叫んでいる少女時代と、今現在精神的安定剤を飲み煙草中毒で、男の恋人がいたり、女の恋人がいたりする中で小説を書いている主人公の現在、過去という時間が行きつ巡りつ、この小説は展開していく。2014/03/18
kozawa
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この翻訳者は台湾セクシュアル・マイノリティ文学シリーズの翻訳にも参加しているが、本書もその手で、作品も、多分翻訳もいい。2012/02/14