内容説明
フランスはかつて一大植民地帝国であった。アジア、太平洋、アラブ、アフリカ、アメリカ大陸の一部にまでその支配力を及ぼした。現地の人びとを「野蛮人」や「食人種」として侮蔑しながら、男たちはそこに楽園幻想を抱き「女・裸・阿片」を謳い上げる「植民地シャンソン」を生み出した。その時代は、終わりを告げたのだろうか。
目次
序章 人工楽園のバーバリズム―巴里博人肉ショー
第1章 魔性楽園のエキゾティシズム―馥る異国の華々
第2章 魔性楽園のエロティシズム―誘う熟女たち
第3章 魔性楽園のバイオリズム―カリブの身体
第4章 魔性楽園のアニマリズム―裸でごめんなさい
第5章 魔性楽園のカニバリズム―貪る食人種たち
枯尾花跋抄―再生へ向けて
著者等紹介
猪俣良樹[イノマタヨシキ]
日曜作家(ノン・フィクション)。日曜歌手(レトロ専門)。ヴォードヴィル研究家。元NHK国際局フランス語班チーフ・ディレクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
オリエントへの憧れ2017/11/15
きゅうり
1
調べたこと、旅行で見たこと聞いたことを纏めたよ。という感じ。植民地を謳ったシャンソンの歌詞などが紹介されている。この本の一番の核心を引用すると(これも他書からの引用)「植民地精神を一言で表すなら『白人は知恵を独占し、白人は思索を表明し、白人は文明を創り出す』という気分に尽きる」。。。えらい皮肉だこと!副題の「魔性の楽園」だって商業主義のための幻想で、その実、楽園だった土地から文化も人々の尊厳も奪い取っていたってわけ。2013/05/12