内容説明
時は江戸時代が明け、キリシタン禁止令発令のころ、大坂生まれの10歳の男の子が、遠くメキシコへ渡った。前半生が謎に包まれているこの男は、その後グアダラハラで有力な実業家となり、教会の財産管理の任まで請け負った。異郷の人間をおおらかに受け入れるメキシコの社会風土を背景に浮かび上がる、海を越えた自由人の一生。
目次
第1章 日本とヌエバ・エスパーニャとの関わり(スペインの太平洋への進出;日本国内の状況と、マニラと日本との初期段階における交流 ほか)
第2章 日本人ルイス・デ・エンシオ(予備的考察;ルイス・デ・エンシオはどのようにして、いつ、グアダラハラにやってきたのか ほか)
第3章 家長フアン・デ・パエス(フアン・デ・パエスはどのようにして、いつ、グアダラハラにやってきたのか;フアン・デ・パエスの家族たち ほか)
第4章 実業家フアン・デ・パエス(遺言執行人としてのフアン・デ・パエス;サポパン王室代理官としてのフアン・デ・パエス ほか)
結論 本研究によって明らかになったこと、そして今後の課題について
著者等紹介
レジェス,メルバ・ファルク[レジェス,メルバファルク][Reyes,Melba Falck]
グアダラハラ大学社会・人文学大学センター太平洋研究学科教授、研究員。全国研究者登録システムメンバーならびに、メキシコにおける日本研究学会メンバー。主な研究分野はメキシコと日本の経済関係。近年は17世紀のスペインと日本との関係についての研究にも力を入れている。2001年から2002年にかけて、日本とメキシコとの経済関係強化を目的とした研究会のメンバーとなる。雑誌『メキシコと環太平洋地域』を創刊、編集長を務める
パラシオス,エクトル[パラシオス,エクトル][Palacios,H´ector]
グアダラハラ大学歴史学士。高校生のための歴史教科書の執筆者の一人である。図書館司書として働くかたわら、研究者および教育者としても研鑽を積む
服部綾乃[ハットリアヤノ]
翻訳家。清泉女子大学文学部卒(スペイン語スペイン文学科)。コレッヒオ・デ・メヒコ(メキシコ)に留学(国際関係論)
石川隆介[イシカワリュウスケ]
1974年メキシコ、グアダラハラ生まれ。ラテンアメリカ文学博士(カリフォルニア大学バークレー校、2005)。慶應義塾大学総合政策学部特別招聘講師を経て、カリフォルニア州立大学Fullerton校助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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