内容説明
世界化した「西洋」の根源にある、“キリスト教”あるいは“神”という名についての徹底した思考。束の間通過する“神”の歩み、ウインクの煌めき―一神教=無神論が名指す無制約的な他者、世界を開裂する何ものでもない“開け”を線描する。
目次
無神論と一神教
一神教の脱構築
ユダヤ‐キリスト教的なるもの(信について)
全体の無なることの信
心臓での経験
言葉は肉となった
ブランショにおける神の名
ブランショの復活
慰め、悲嘆
神的なウインクについて
脱神話化された祈り
キリスト教の脱構築
脱閉域
著者等紹介
ナンシー,ジャン=リュック[ナンシー,ジャンリュック][Nancy,Jean‐Luc]
1940年生まれ。ストラスブール・マルク=ブロック大学名誉教授。特にハイデガーが解明した実存の二重性をなす共存在・共同性と独異性・単独性の共有=分割(パルタージュ)という問題系を徹底化させることで、西洋形而上学・存在神論における身体性やテクネーの否認を脱構築し、出来事が真に到来しうるような世界、表象作用に還元されえないイマージュが現前しうるような世界、絶対的に切り離された単独者が、その絶対性=分離性のままに、“芸術的”に、触れ合うことが起きるような世界の創造―主体ならざる自己の触発、無カラノ創造―の可能性を素描し続けている
大西雅一郎[オオニシマサイチロウ]
1955年生まれ。東京大学大学院博士課程中退、パリ第一大学留学、現成蹊大学教員。フランス現代思想・文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。