内容説明
公式の歴史バージョンに抗して、女たちは語る。おしゃべり、ゴシップ、言いたい放題の中傷。それでもなお、すべて真実なのだ。
著者等紹介
フェレ,ロサリオ[フェレ,ロサリオ][Ferr´e,Rosario]
1938年プエルトリコのポンセ市に生まれ、アメリカ合衆国で教育を受けた。現在、作家活動を行なうかたわら、アメリカ各地の大学で教鞭をとっている。性差、階層差、国籍の差、あらゆる差別に鋭い批判の眼を向ける彼女の筆は、あいまいな女性擁護論、国家権力のまやかしを暴きださずにはいない
松本楚子[マツモトタカコ]
東京都出身。スペイン史専攻。現在は女性作家を中心にしたラテンアメリカ文学を研究し、その翻訳紹介に務める
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感想・レビュー
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きゅー
11
収録されている4編の中・短編はそれぞれ別個の物語でありながら、プエルトリコを舞台とした一つの長編のように読める。実際、物語の中心的人物の子孫が他の物語に登場するなどして、歴史の継続性を感じる。「呪われた愛」では、精糖農園の経営者一族の歴史を、複数の登場人物それぞれに語らせている。これにより「彼らが語ることはみなゴシップであり、嘘であり、言いたい放題の中傷であるが、しかもなおすべて真実なのである」ことが強く印象付けられる。噂話を一つに纏めることで、正史では塗りつぶされてしまった人々の思いが浮かび上がる。2018/06/15
syachi
1
プエルトリコのアイデンティテイー的な話や何やら皮肉たっぶりのアメリカナイズされていく状況を描く話も。単純に明るいカリブ海ってわけではないのね。2014/05/28
cafebleu
1
装丁が気に入って買っちゃった。プエルトリコって都会だなぁ。2009/04/15