つきはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784772695169
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0040

内容説明

その場しのぎで進化してきた、つぎはぎだらけの脳。“人間らしさ”も、こうしたいい加減な作りの脳からこそ、生まれた。私たちの愛、記憶、夢、神…なども、その産物にほかならない。“脳の可塑性”研究における国際的リーダーであり、池谷裕二氏が「同業者として“神様”のような存在」と称えるリンデン教授が放つ、脳と心の常識をひっくり返す話題作。

目次

1章 脳の設計は欠陥だらけ?
2章 非効率な旧式の部品で作られた脳
3章 脳を創る
4章 感覚と感情
5章 記憶と学習
6章 愛とセックス
7章 睡眠と夢
8章 脳と宗教
9章 脳に知的な設計者はいない

著者等紹介

リンデン,デイビッド・J.[リンデン,デイビッドJ.][Linden,David J.]
ジョンズ・ホプキンス大学医学部・神経科学科教授。脳内の情報記憶に関わる細胞基質などの研究に取り組む。脳の可塑性の研究分野では、国際的リーダーの一人。『Journal of Neurophysiology(神経生理学ジャーナル)』の編集長も務める。米・メリーランド州ボルティモア在住

夏目大[ナツメダイ]
翻訳家、ライター。翻訳学校「フェロー・アカデミー」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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zirou1984

43
人間の脳が良くできたものだといつから錯覚していた?著者に言わせば、それはその場しのぎで継ぎ足された進化の結果による、冗長でいい加減な代物に過ぎない。とはいえ、これだけ増設されてきたからこそ他の種族と違い環境による成長を必要とし、その非効率的な隙間にこそ記憶や夢、愛情といった人間らしさが生まれる余地があったのだというのだから面白い。また、そうした出鱈目な状態に対して一貫性を持たせる機能としての「物語を作る能力」が存在するという話は刺激的だ。人は人であろうとする限り、意識的にも無意識にも物語を必要としている。2015/08/24

mari

19
場当たり的でその場しのぎの進化をしてきた脳。知ってる話から専門的な話まで。でも読みやすいと思います。ぎっしりと面白い情報が詰まっているので咀嚼して自分の知識にするには再読が必須です。ホント脳って面白いです。2014/08/25

みんと

11
著者のデイビッド・J.リンデン氏は脳科学者の池谷裕二さんも、同業者として尊敬していらっしゃるそうだ。少々、難解ではあるが興味深い内容が多い。脳の部分ごとに、損傷した場合の記憶や感情面への影響などを見ると、実に重要な役割を果たしていることが分る。貧乏か裕福かによって、脳の回線の複雑さが変わってくるという一卵性双生児の実験レポートも面白い。レム睡眠時の脳の状態、どんな働きがあるのか、記憶定着との関係もよくわかった。2010/10/12

そんれい

10
著者は、「脳は進化の過程で、間に合わせで作られたその場しのぎのもので、それゆえに人間らしさを生んだ」という。一般的な読者に対し、感情、夢、愛、宗教などの視点から疑問に答えてくれる。人間が物語を好むのは、脳の仕組みの影響なんだ!2021/09/05

Arowana

7
生命進化にも「設計者のジレンマ」のように、ある限界が見えてきたように思える。人間は、自然が育む一方でそのまま残していったしくじり(自らの不完全性)をどう始末することになるんだろうか?幾度も改造を重ねることで「今の水準」に落ち着いているぎこちないマシンについて、手を付けずに自然に任せるのか、それとも改良を加えるのか。部分的な改良なのか、ゼロベースでニューモデルを組み立てるのか。なんにせよ、「言葉が通じない」という欠陥はイタいが、全員の意見が完全に一致するという悪夢の実現は阻みたいと思っている人は少なくない。2013/12/05

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