出版社内容情報
非行少年が逆境に打ち克つ力=リジリアンスをはぐくむ,ストレングス志向の支援実践。
若者が危険な行動にはしるのは,それがサバイバル(生き残ること)とスライバル(成功すること)を賭けた,かけがえのないアイデンティティだからだ。大人はその行動をやめさせようとするよりも,行動のカオスの下に健康な強さを見出し,危険な行動と同等に魅力的でパワフルな代替案(オルタナティヴ)を提供するために,若者の物語(ナラティヴ)を聞き取る必要がある。
非行文化のエコロジーのなかで,若者たちの3つのアイデンティティ(パンダ・カメレオン・ヒョウ)に即し,非行行動のオルタナティブを探索する6つの戦略を通して,逆境に打ち克つ力=リジリアンスをはぐくむ。リジリアンス研究を牽引するマイケル・ウンガーが少年たちとの臨床経験にもとづいて提示する新たなパースペクティブ。
序
[1]サバイバルとスライバル
[2]3つのアイデンティティ:パンダ,カメレオン,ヒョウ
[3]リジリアンスを育てる6つの戦略
[4]真実から行為へ:「戦略2」から「戦略5」までを実行に移す
[5]若者のリジリアンスのたくさんの表現
[6]いじめの新しい見方
[7]リジリアンスを評価する:RYSI
[8]RYSIの結果を解釈する
結論:必要なのは変わることだ
内容説明
“リスクと矛盾にみちた世界では、子どもは健康にむかう普通ではない道筋を作る”。若者に学び・知ることで見えてくる強さ。3つのアイデンティティを見定め、6つの戦略を通してリジリアンス=逆境に打ち克つ力を育む。非行少年の物語と資源。
目次
1 サバイバルとスライバル
2 3つのアイデンティティ―パンダ、カメレオン、ヒョウ
3 リジリアンスを育てる6つの戦略
4 真実から行為へ―「戦略2」から「戦略5」までを実行に移す
5 若者のリジリアンスのたくさんの表現
6 「いじめ」の新しい見方
7 リジリアンスを評価する
8 RYSIの結果を解釈する
結論 必要なのは変わることだ
解説 非行臨床にいかすリジリアンスの視点
著者等紹介
ウンガー,マイケル[ウンガー,マイケル] [Ungar,Michael]
ソーシャルワーカー/夫婦家族療法家。ハリファックス(カナダ)のダルハウジー大学ソーシャルワーク学部で教鞭をとるかたわら、北米をはじめ世界各国の教師、ガイダンスカウンセラーなどにスーパービジョンとコンサルテーションを提供し続けている。ラジオやテレビにも多数出演し、児童精神科医、ソーシャルワーカー、心理士などのメンタルヘルス専門家を対象とした講演も多い。また危機にある若者の援助と研究についてリジリアンスをテーマとした国際ワークショップを多数主宰し、多くの著作・学術論文を発表しながら研究と実践を続けている
松嶋秀明[マツシマヒデアキ]
1972年、滋賀県生まれ。1996年、大阪府立大学卒業。2003年、名古屋大学大学院教育発達科学研究科修了。博士(教育学)。以後、滋賀県立大学人間文化学部教員。現在、滋賀県立大学人間文化学部教授/臨床心理士/滋賀県スクールカウンセラー
奥野光[オクノヒカル]
1974年、愛媛県生まれ。1997年、国際基督教大学卒業。2002年名古屋大学大学院教育学研究科単位取得。以後大学の学生相談に従事。現在、二松学舎大学学生相談室専任カウンセラー/臨床心理士/大学カウンセラー
小森康永[コモリヤスナガ]
1960年、岐阜県生まれ。1985年、岐阜大学医学部卒業。同大学小児科に在籍。1995年、名古屋大学医学部精神科へ転入後、愛知県立城山病院に勤務。現在、愛知県がんセンター中央病院緩和ケアセンター長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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