内容説明
彼らは、不妊をどう経験するのか。なぜ男性の不妊は語り得ないのか。その背景に何があるのか。男性本人とそのパートナー、さらには泌尿器科医へのインタビューで得た当事者の語りをもとに考察。男性不妊を「妻の問題」として、男性個人にとっての身体の問題としてではなく、「夫婦関係の問題」として捉え直し、いまだ根強い「不妊は女性の問題」というジェンダー・バイアスに楔を打ち込む。竹村和子フェミニズム基金助成獲得作品。
目次
本書の背景と目的
第1部(男性不妊の医療化と専門医の台頭;先行研究と本書の位置づけ;対象と方法)
第2部(男性は自らに不妊をどのように経験するのか―夫の経験の考察;不妊治療における男性身体の意味づけ―身体経験の考察;女性は夫の不妊とどう向き合うのか―妻の経験の考察;男性不妊の開示をめぐる夫婦の戦略)
現代日本の男性不妊
著者等紹介
竹家一美[タケヤカズミ]
2007年京都大学大学院教育学研究科修士課程修了、修士(教育学)。2014年お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士前期課程修了、修士(社会科学)。2020年お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。日本学術振興会特別研究員DC2、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所特別研究員を経て、現在、お茶の水女子大学ほか非常勤講師。専攻は、社会学、ジェンダー/セクシュアリティ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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