内容説明
“極秘文書”と書かれた遺書、“門外不出”と書かれた日記。昭和の花形作家として活躍した舟橋聖一。彼はなぜ戦争に抵抗した小説『悉皆屋康吉』を終戦3ヶ月前に刊行できたのか。遺族が40年間守り続けた貴重かつ膨大な「新資料」を用いながら、その謎を解いていく。戦時期文学の「常識」を切り崩す一冊。
目次
序章 なぜ「抵抗の文学」が戦時下に刊行できたのか
第1章 舟橋聖一の境涯と「芸術至上主義」の源
第2章 心座時代―芸術的姿勢の形成
第3章 「外地」体験―転機の訪れ
第4章 行動主義から国策文学へ
第5章 『悉皆屋康吉』―時代相の変遷を追う
第6章 「抵抗の文学」を問い直す
補論 舟橋聖一と「大東亜文学共栄圏」
資料編
著者等紹介
石川肇[イシカワハジメ]
1970年生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科国際日本研究専攻単位取得退学。博士(学術)。国際日本文化研究センター助教。東アジア近代における大衆文化・文学を研究対象とし、「舟橋聖一の愛馬命名と女たち」で第11回Gallopエッセー大賞受賞(産経新聞社、2015)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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