内容説明
戦後も消え去ることのない「人間性の究極的破壊」に通じるホロコースト体験と後遺症を、精神病理学はいかにとらえ、戦後補償はどうこたえたのか。精神医学の戦後史を批判的に再検証する。
目次
第1章 総説(精神医学におけるトラウマ概念の変遷;「強制収容所症候群」;戦後ドイツにおける裁判と補償の流れをめぐって)
第2章 強制収容所後遺症の精神医学的鑑定(論文の翻訳)(クルト・コレ「精神医学からみたナチ迫害の犠牲者」;エドガー・C・トラウトマン「解放一五年後のナチ強制収容所生き残りに関する精神医学的調査」;ハインツ・ヘンゼラー「迫害による後遺障害の判定に関する今日の見解」)
第3章 解説・解題(三論文の基調の流れと変化;今日のPTSD概念とのかかわり;PTSD概念の課題と今後の問題)