出版社内容情報
障害とは、心身の機能や能力の欠損ではなく、“違う”とみなされる人に対する排除、差別、参加の制約=社会的障壁のことである。社会の障害(障壁)を見抜き、障壁を取り除き、より平等でインクルーシブな社会をつくるための入門書。
久野研二[クノケンジ]
著・文・その他/編集
内容説明
どのように障壁をとりのぞくか、社会を変えていくか。
目次
第1部 障害平等研修入門(障害平等研修の概要;障害平等研修とは;障害の社会モデル ほか)
第2部 障害者の権利に関する法的枠組み(障害者権利条約と障害者差別解消法・改正障害者雇用促進法;障害者差別禁止条例づくりの取り組み)
第3部 障害に関するその他の研修や取り組み(ダイアログ・イン・ザ・ダーク;鳥取県における「あいサポート運動~障がいを知り、共に生きる~」の取り組み(鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課)
「虐待防止ワークショップ」について ほか)
著者等紹介
久野研二[クノケンジ]
特定非営利活動法人障害平等研修フォーラム代表理事。独立行政法人国際協力機構(JICA)国際協力専門員(社会保障)。日本福祉大学客員教授(専門は「障害と開発」)。英国イースト・アングリア大学博士号(学術:開発学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てん
12
障害に対する考え方が変わるきっかけになる本。"障害=目が見えない、歩けない"みたいな認識じゃなくて、"障害=心身の機能障害がある人が、社会にある差別や環境のせいで社会参加できなくなる障壁"みたいな考えがいいなと思う。そしたら、変わるべきは社会だって考えになる。「障害平等研修」では差別の状態に気付くことが第一歩。私が“障害者を助けたい”と思うのは、“障害者は助けられる側”だという固定観念があるからだと気付いて、考え方を根本から直したいと思った。2022/05/01
愛希穂
2
障害者は差別や偏見を持たれやすい。だから、周りの人が障害者に対する考え方や見方を変えなくてはいけない、そう思っていた。 勿論それも大切だけれど、「変えなくてはいけないのは自分自身に対する考え方」という著者の指摘が目から鱗だった。 また、「障害者が直面している問題の多くは、女性差別や人種差別と同様に人権の問題なのに、いつの間にか障害者個人の機能の問題に置き換えられてしまっているのではないか」という指摘も、その通りだと思った。2018/11/16