出版社内容情報
健康行動を促すための情報提供を行う機会は種々あるが,実際に行動を変容させることは難しい。健康づくりや生活習慣病の予防のための行動実践に関し,どのように情報を提供すれば,知識が増え,態度が変わり,実践への意図を強化し,その結果,行動を増やせるか,さらに継続を促せるかについて様々な観点でまとめる。
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日本の読者の皆さんへ
私たちの本に興味を持っていただき,誠にありがとうございます。私たちは,日々,多くのメッセージにさらされており,それらは私たちの考え方を変えさせ,活動を起こさせるように次々と攻撃を仕掛けてきます。これらのメッセージのいくらかは,私たちが健康に気を配る助けになるかもしれません。この本では,そのようなメッセージをより有効にできる行動科学の研究を要約しています。あなたにとってこの本が有用になることを願っています。
監修者を代表して
エクセター大学名誉教授,現メルボルン大学教授
チャールズ・エイブラハム
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目 次
監訳者まえがき
1 章 導入:効果的な教育テキストを作成するためのステップ
1.1 健康教育やヘルスプロモーションのための資料は
根拠に基づき作成されているのか?
1.2 本書の目的
1.3 本書を読むにあたって
1.4 デザイン過程と本書の構造
2 章 テキストを読みやすく設計する
2.1 用紙のサイズと向きの選択
2.2 テキストの間隔
2.3 文字サイズと書体の選択
2.4 サイズの問題
2.5 結 論
3 章 理解しやすい資料を作る
3.1 「 理解」の基礎をなす認知的メカニズム
3.2 理解しやすい資料を組み立てる
3.3 グラフィックを理解する
3.4 検証することがきわめて重要
3.5 結 論
4 章 使いやすい資料を作る
4.1 ユーザビリティ(使いやすさ)
4.2 注意の過程:トップダウンとボトムアップ
4.3 ユーザビリティを高めるデザイン
4.4 ユーザビリティの基準の適用方法:例
4.5 ユーザビリティの検証方法
4.6 結 論
5 章 グラフィックを効果的に使用する
5.1 なぜグラフィックを用いるのか?
5.2 ステージ1:グラフィックを使う目的は何か?
5.3 ステージ2:グラフィック・スタイルを選ぶ
5.4 ステージ3:グラフィックとテキストを統合する
5.5 終わりに:グラフィックが妨げになっていないかを確認する
6 章 ヘルスプロモーション資料のために根拠に基づく内容を開発する
6.1 根拠に基づく内容を明らかにする:
コンドーム使用のヘルスプロモーション
6.2 メッセージ内容の選定およびデザインのための有用モデル
6.3 認知ターゲットにメッセージをマッチングさせる
6.4 根拠に基づくコンドーム使用
促進リーフレットの有効性を改善する
6.5 結 論
7 章 変容メカニズムを行動変容技法にマッピングする:
文書を用いて行動変容を促す体系的アプローチ
7.1 計画づくり,誘発調査,および変容メカニズムを
行動変容技法にマッピングする
7.2 介入計画の試み
7.3 単一の理論を用いた介入デザインを超えて
7.4 先行要因,決定因,および変容メカニズムから行動変容技法へ
7.5 行動変容技法リストの開発と使用
7.6 計画の評価
7.7 結 論
8 章 人々を脅してやらせる? 再考!
8.1 ヘルスプロモーション実践におけるフィア・アピール使用の現状
8.2 フィア・アピールの人気は高い
8.3 評価研究から導き出された根拠の質
8.4 恐怖心を煽ることは行動変容に
つながるのか? 懸念される根拠
8.5 恐怖心を煽るメッセージを
受け入れさせるために何ができるのか? 支持する結果
8.6 フィア・アピールを理解する
8.7 根拠に基づくフィア・アピールをデザインする
8.8 意図と行動のギャップの橋渡しをする
8.9 結 論
9 章 メッセージ・フレーミング
9.1 メッセージのフレーミングとプロスペクト理論
9.2 健康関連行動の「危険性」の理解
9.3 「 リスク認知」の概念を再評価する
9.4 高いセルフエフィカシーの問題
9.5 読み手,メッセージ,フレーミングの間の「フィット」を作る
9.6 メッセージをどのようにフレームド化するのか:結論と提案
10 章 ヘルスプロモーション・メッセージのコンピュータ・テイラリング
10.1 個別にテイラー化されたメッセージの長所
10.2 計画されたヘルスプロモーションの概要モデル
10.3 一般的,ターゲット化,およびテイラー化されたヘルスプロモーション
10.4 コンピュータ・テイラリングはどのように行えばよいのか?
10.5 コンピュータ・テイラリングは有効なのか?
10.6 なぜコンピュータ・テイラー化介入は効果的なのか?
10.7 コンピュータ・テイラー化介入の将来
10.8 結 論
11 章 結論と推奨
11.1 ひと口サイズの要約
11.2 2 章の要約:テキストを読みやすく設計する
11.3 3 章の要約:理解しやすい資料を作る
11.4 4 章の要約:使いやすい資料を作る
11.5 5 章の要約:グラフィックを効果的に使用する
11.6 6 章の要約:ヘルスプロモーション資料のために
根拠に基づく内容を開発する
11.7 7 章の要約:変容メカニズムを行動変容技法にマッピングする―
文書を用いて行動変容を促す体系的アプローチ
11.8 8 章の要約:人々を脅してやらせる? 再考!
11.9 9 章の要約:メッセージ・フレーミング
11.10 10 章の要約:ヘルスプロモーション・メッセージの
コンピュータ・テイラリング
11.11 結 論
文 献
人名索引
事項索引
編集者の紹介
分担執筆について
C.エイブラハム[エイブラハム シー]
編集
M.クールズ[クールズ エム]
編集
竹中 晃二[タケナカ コウジ]
監修/編集
上地 広昭[ウエチ ヒロアキ]
監修/編集
目次
導入:効果的な教育テキストを作成するためのステップ
テキストを読みやすく設計する
理解しやすい資料を作る
使いやすい資料を作る
グラフィックを効果的に使用する
ヘルスプロモーション資料のために根拠に基づく内容を開発する
変容メカニズムを行動変容技法にマッピングする:文書を用いて行動変容を促す体系的アプローチ
人々を脅してやらせる?再考!
メッセージ・フレーミング
ヘルスプロモーション・メッセージのコンピュータ・テイラリング〔ほか〕
著者等紹介
エイブラハム,チャールズ[エイブラハム,チャールズ] [Abraham,Charles]
英国、エクセター大学ペニンシュラ校医・歯科学部における行動変容の教授。ヘルスプロモーションと持続可能なエネルギー使用について、また活動を統制する動機づけ・意志過程を研究。行動変容介入を開発し、評価することに焦点を当てた研究を実施し、さらに研修、コンサルタントの仕事、および政策のアドバイスも実践。サセックス大学、ノッティンガム大学、マーストリヒト大学の客員教授、コネチカット大学の健康・介入・予防センター(CHIP)のリサーチ・アソシエート。『Psychology and Health』誌の共同編集者を長く務め、英国心理学会健康心理学部門の初代部門長。英国保健省に研究コンサルタントとして関与。2007年に行動変容実践ガイドラインを開発した英国国立医療技術評価機構(NICE)グループの会員。2011年に行動変容に関する上院科学技術特別委員会の専門アドバイザーに就任
クールズ,マリーカ[クールズ,マリーカ] [Kools,Marieke]
オランダ、マーストリヒト大学の健康・薬学・生命科学部における行動科学者。実験認知心理学(認知教育心理学と認知人間工学)を背景にヘルスプロモーション教材において特定の関心事について書面化された情報のユーザビリティ(使いやすさ)に焦点を絞った研究に従事。彼女の応用実験研究において核となる疑問は、レイアウトやデザインの特徴が情報の受け手のメッセージへの理解度や注意過程にどのような影響を与えるかについて。既存の健康教育冊子教材を使って、情報の受け手がどのようにそれらの教材を使用し、理解するのかを、テキストおよびグラフィック・デザインの要素の効果で評価。ヘルスプロモーション教材のデザインや評価に関する研修やコンサルタントの仕事に従事。最近では、マーストリヒト大学の一般医教育研究所において医師に教育およびコーチングを実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。