出版社内容情報
化学の基本理論を解き,理解を深めるため,単純な水素原子を出発点にしながら,やや複雑ないくつかの原子も眺める.原子がつながり分子になる理由,分子どうしが引き合う理由もつかむ.熱力学,化学反応と化学平衡,電気化学,光と分子のからみ合いも探る.イラスト・図を多用.本格的な教科書に挑む前の肩ならしに.半期用.
序章(第1話 塩はなぜ氷を融かす?/第2話 車の触媒は何をする? /第3話 雨は弱酸性なのに,なぜ陸水や海水は弱塩基性なのか?)
1章 原子と電子(原子の成り立ち/核外電子のエネルギー/ボーアのモデル/量子化の背景)
2章 水素原子(電子の衣/シュレーディンガー方程式/量子数/状態とエネルギー/電子の分布/波動関数の広がり/ 節の数/波動関数とその2乗/振り返り:水素原子の発光線)
3章 多電子原子(構成原理/電子配置/電子殻/基底状態と励起状態/電子の分布とエネルギー)
4章 分子の形成(共有結合/ルイス構造/電子対反発モデル/混成軌道/分子軌道/酸素分子/異核二原子分子)
5章 分子間力(分子間に働く力/分子間力と状態変化/分子の運動/気体の圧力/理想気体と実在気体)
6章 熱力学 (1)第一法則(分子と分子集団/発熱反応と吸熱反応/物質の熱エネルギー/体積変化に伴う仕事/内部エネルギーと熱力学第一法則/エンタルピー/標準生成エンタルピー/標準生成エンタルピーと状態変化/熱容量)
7章 熱力学(2) 第二法則(吸熱変化/エントロピー/ギブズエネルギー/標準生成ギブズエネルギー/化学変化と最大仕事)
8章 反応の速さ(熱力学と速度論/課題の設定:オゾン層の生成/一次・二次・三次反応/素反応のつながり/図解でみる反応タイプ/オゾン生成のモデル)
9章 化学平衡(変化の向きと ?rG?/化学ポテンシャル/反応の進行度/平衡状態/平衡定数/化学ポテンシャルと活量/溶液中の平衡)
10章 電気化学(電圧と電位/ダニエル電池/電極反応と電位/標準電極電位/標準電極電位が語ること/ネルンストの式/標準起電力と平衡定数/式量電位/活性化エネルギー/電解電流/電解/電解生成物)
11章 光と分子
(電磁波と光/光の吸収と補色/光の吸収・放出とエネルギー準位/電子・振動・回転状態/電子状態と光/振動状態と光/回転状態と光/波長域でみる電子・振動・回転励起)
終章 物理化学とノーベル賞(原子のつくりと量子力学/量子化学・化学結合論/熱力学・溶液論・反応論)
真船 文隆[マフネ フミタカ]
渡辺 正[ワタナベ タダシ]
目次
暮らしと物理化学
原子と電子
水素原子
多電子原子
分子の形成
分子間力
熱力学(第一法則;第二法則)
反応の速さ
化学平衡
電気化学
光と分子
物理化学とノーベル賞
著者等紹介
真船文隆[マフネフミタカ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。博士(理学)。1966年神奈川県生まれ。1994年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学助手、豊田工業大学助手、同助教授、東京大学准教授を経て、2010年より現職。専門は物理化学、クラスター物理化学
渡辺正[ワタナベタダシ]
東京理科大学教育支援機構理数教育研究センター教授。工学博士。1948年鳥取県生まれ。1976年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学助手、講師、助教授を経て、1992年より同大学生産技術研究所教授、2012年より名誉教授。専門は生体機能化学、光化学、電気化学、環境科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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