目次
手の味・こころの味(移り香―金柑;私の春 ほか)
伝える喜び(野性のちから―七草粥;寒の風がつくる味―お鏡さん ほか)
心を耕す(夏の心尽くし―焼きみそ;味の決め手―夏料理 ほか)
私のむだなし考(焦点―卵巻き;余熱 ほか)
著者等紹介
辰巳芳子[タツミヨシコ]
1924年、東京生まれ。料理家、随筆家。聖心女子学院卒業。料理研究家の草分け的存在だった母・辰巳浜子の傍らで日本の家庭料理を体得。また、シェフ数人について洋風料理を長く学ぶ。雑誌やテレビなどで料理を発表するのみならず、日本の食文化を世界のそれと比較してとらえる視点や、食といのちのかかわりへの深い洞察をもって積極的に発言している
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感想・レビュー
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高橋直也
3
辰巳先生のお話は毎朝の鰹節を削るシュッシュッというリズムのように生活のなかで聞こえてくる四季折々の詩のようなものです。ちょっとお袋の小言になったり、誉め言葉になったり、温かく気持ちの良いものですね。2013/06/02
shin
0
すごい方なのだろうけれど、幼子のような印象を受ける。手を動かし続けながらもずっとにこにこと微笑んでいる、何かに夢中な童子の横顔を彷彿とさせる。「なんでもないことは麗々しいことより難しく、ごまかしのきかぬところがある。大方の学問が自明な現象を考えなおすところから端を発するように、食の周辺においても同様のことがいえるのではないだろうか。」学問を少し囓った身としては、参りました、と平伏せざるをえない。2015/07/28