目次
第1章 生成文法から学ぶ和文英訳のコツ(僕は佳祐がかけてみたメガネが気に入っている。;化学の学生は物理の学生より背が高かった。 ほか)
第2章 認知言語学から学ぶ和文英訳のコツ(彼は市長に選ばれた。;何人かの生徒はまじめだ。 ほか)
第3章 日本語文法から学ぶ和文英訳のコツ(太郎の車は、花子のより小さい。;太郎は泥棒が逃げるところを捕まえた。 ほか)
第4章 語用論から学ぶ和文英訳のコツ((友人が結婚することをはじめて知って)えっ、そうなの。聞いてなかったわ。
(汚い子ども部屋を見て)うわっ、なにこの散らかしよう。どうなっているんだ。 ほか)
第5章 実務翻訳から学ぶ和文英訳のコツ(ジャズって、おっさんのやるものだべぇ。;飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。 ほか)
著者等紹介
畠山雄二[ハタケヤマユウジ]
1966年静岡県生まれ。東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了。博士(情報科学)。現在、東京農工大学准教授。専門は理論言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
12
75例文の正誤のわけを説明する構成。名詞と他の要素のつながりが強い場合は名刺だけをoneで置き換えることはできない(5頁)。大学受験で英作文が必要な生徒にとっても必要な参考書と思われる。A big earthquake occurred.であり、受け身は間違い(44頁)。高校生でも自動詞と他動詞の区別はしにくいようだが、使役事象は他動詞で、自然発生は自動詞でと書かれている(54頁)。 2014/09/21
Nobu A
5
75組みの例文を比較提示し、何故良いのか悪いのか説明。第1章「生成文法から学ぶ和文英訳のコツ」と第2章「認知言語学から・・・」は学校英語では習わない文法構造をそれぞれの視座から詳細に解説。復習も兼ねて勉強になった。第3章以降は殆どが学校英語レベル。第5章の「実務翻訳から・・・」に関してはビジネスメール等は産業翻訳で実務だが、殆どが文芸翻訳で芸術寄り。面白かったが、説明にゲルマン語系とラテン語系の対比がある。アングロ・サクソン系の間違いでは。加えて、どれが何語系か十分な情報もなく、残念ながら不十分。2019/06/30
田中峰和
2
日本語と英語の違いは、動詞の意味と表現で顕著。英語は「する」言語で、日本語は「なる」言語という特性があるからだ。英語はできるだけ「する(DO)」つまり行為として状況を述べようとするのに対し、日本語は「なる(BECOME)」、つまり状態として状況を述べる傾向にある。そのため英語ではthere構文を使うのは、「物の存在する場所」を描写するのに限られ、そのほかはできるだけ人を主体とした行為として状況を述べようとする。一方で日本語は、状態的に状況を述べるので、「する」よりも「なる」「ある」を用いた表現が好まれる。2015/03/30
とーる
2
日本語文法の知識や受験時代の知識とつながるところもあり、自然な英語について規則的に納得しやすくおもしろかった。2015/01/22
mytopgun
2
悪い本ではないし間違ったことも書かれていないけど、タイトルから期待した内容ではなかった。翻訳者が集まった飲み会で「日本語と英語ってこんな風に違うから難しいよねー」というネタで延々盛り上がる、という雰囲気(その意味では読んでいて楽しい)。 ただ、取り上げている内容が断片的でレベルにも大きく差があるので、想定している読者がよくわからない。色んなものを取り揃えてみたので、一つか二つは参考になるものがあるでしょう、という感じなのか。 個人的には、蒙を啓かれるような大発見はひとつもなかったけれど、今まで当たり2014/09/09