出版社内容情報
本書はフィルモアの提唱したフレーム意味論の立場から、動詞と関わる意味論的諸問題に多面的に取り組む日本で初めての書物である。言語表現が喚起する背景知識の総体である「フレーム」の概念を用いて、11名の気鋭の研究者が、語、構文・イディオム、語形成などに関する意味論の課題に新しい答えを見出す。言語学、特に認知言語学・構文文法理論に関心のある学生・研究者、さらにはAI・自然言語処理研究者にとっても必読の書。執筆者:秋田喜美、有薗智美、岩田彩志、氏家啓吾、小原京子、陳奕廷、中嶌浩貴、野中大輔、長谷川葉子、松本曜、籾山洋介。
内容説明
本書はフィルモアの提唱したフレーム意味論の立場から、動詞と関わる意味論的諸問題に多面的に取り組む日本で初めての書物である。言語表現が喚起する背景知識の総体である「フレーム」の概念を用いて、11名の気鋭の研究者が、語、構文・イディオム、語形成などに関する意味論の課題に新しい答えを見出す。言語学、特に認知言語学・構文文法理論に関心のある学生・研究者、さらにはAI・自然言語処理研究者にとっても必読の書。
目次
フレーム、フレーム意味論、フレームネット
第1部 動詞の意味論(解釈述語と内容述語の主要部交替―Run_riskフレームにかかわる英語と日本語の文構造の考察;複数のフレームに基づく多義語の分析―「黙る」を中心に;動詞における反義性―フレーム意味論による分析)
第2部 構文とイディオム(Eat one’s way―構文とフレーム意味論の接点;動詞の関連事象に基づく言語分析―「飲む」とdrinkから見る日本語と英語の結果構文;日本語の心理動詞と心理慣用句―フレーム意味論とフレームネットの観点から;述語的な慣用的連結句から見た日本語身体部位詞とフレーム)
第3部 動詞と名詞・オノマトペ(日本語の転成名詞に見られる小さな規則性―「支え」「妨げ」「覆い」などに注目して;英語における語形成へのフレーム意味論的アプローチ―植物名詞に由来する名詞転換動詞の研究;オノマトペの意味のファセット性)
著者等紹介
松本曜[マツヨトヨウ]
スタンフォード大学大学院博士課程修了(1992)。PhD(言語学)。現在、国立国語研究所教授(理論・対照研究領域)
小原京子[オハラキョウコ]
カリフォルニア大学バークレー校大学院博士課程修了(1996)。PhD(言語学)。現在、慶應義塾大学理工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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