内容説明
一般化からこぼれ落ちてしまうような「慣用」「変則」に焦点を当てることで英語の創造的側面・多様性を浮かび上がらせることができる。本書に収められた論文は、この考えを共通項として、認知言語学、英語史、コーパス言語学、語用論、語彙意味論、語法文法研究といった分野の研究者が、英語の興味深い現象を縦横に論じている。本書は、英語の持つ独自の慣用・不規則への志向性を考察し、従来の言語観を問い直すものである。
目次
第1部 序論(慣用表現・変則的表現はどう考察されてきたか)
第2部 変容する現代英語の語法(現代アメリカ英語のrumor―Corpus of Contemporary American Englishの分析から;「懸念」を表すfearについて ほか)
第3部 慣用表現の成立と文法(慣用表現“if X is any indication(guide)”について
使用基盤モデルから見たmake/let使役構文 ほか)
第4部 構文の意味と慣用の拡がり(three brothers and sistersの不思議;活動動詞を含む属性評価文の拡張と両義的解釈)
第5部 言語使用における慣用と変則(コーパス解析に基づくテキストジャンルと名詞の用法の関係性;フィクションのテンスとダイクシス)
著者等紹介
住吉誠[スミヨシマコト]
関西学院大学経済学部教授。専門は語法文法
鈴木亨[スズキトオル]
山形大学人文社会科学部教授。専門は語彙意味論、構文論
西村義樹[ニシムラヨシキ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は意味論、認知文法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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