福島大学叢書新シリーズ
日本の「人魚」像―『日本書紀』からヨーロッパの「人魚」像の受容まで

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  • サイズ A5判/ページ数 252p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784757606128
  • NDC分類 388
  • Cコード C0095

内容説明

人魚とはいかなる生物なのか、人々は長い人類の歴史の中でこれらの人魚の描写を通して何を伝えようとしたのか。人間と魚とが合体したといわれる半人半魚の想像上の動物「人魚」は古今東西を問わず様々な文献に登場する。井原西鶴の『武道伝来記』等の文学作品を初め、大槻玄澤の『六物新志』等の博物学や民俗学の文献も取り上げ、日本以外の地域の文献、例えば古代中国の地理書『山海経』やアンデルセンの童話「人魚姫」等も加え、「人魚」の実像に迫る。

目次

江戸時代の「人魚」像(1)―文学作品に登場した「人魚」
江戸時代の「人魚」像(2)―博物学の舶来を中心として
江戸時代以前の「人魚」像―日本における「人魚」像の原点へのアプローチ
明治時代の「人魚」像―西洋文化の流入と「人魚」への影響について
大正時代の「人魚」像(1)―翻訳文学と「人魚」
大正時代の「人魚」像(2)―アンデルセンの童話「人魚姫」の受容
昭和時代の「人魚」像(1)―翻案小説の「人魚」像
昭和時代の「人魚」像(2)―戦争体験と「人魚」像
日本の「人魚」伝説―「八百比丘尼伝説」を中心として
「人魚」の実像考―民間伝承の中の「怪物」の正体について
ギリシア・ローマ時代の「人魚」像―ヨーロッパの「人魚」像の原点、「セイレーン」を中心として
一八世紀以前のヨーロッパの「人魚」像―「セイレーン」から「マーメイド」へ

著者等紹介

九頭見和夫[クズミカズオ]
福島大学名誉教授、「福島県文学賞」審査委員(小説部門)。東北大学大学院文学研究科(独語・独文学専攻)修了。日本独文学会理事、日本比較文学会東北支部長、東北大学・高知大学・放送大学等非常勤講師を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りりす

17
人魚のことをたくさん考えようと思って借りた本、2冊目。気になるところを読んだだけ。先に読んだ『人魚の動物民俗誌』はタイトル通り民族的に人魚を解説していたけど、こっちは国内外の人魚作品を取り上げている。こっちの方が私は好き。2015/09/17

メルセ・ひすい

2
15 とりあえ 人魚とはいかなる生物なのか。人々は長い人類の歴史の中で、人魚の描写を通して何を伝えようとしたのか。井原西鶴などの文学作品や博物学・民俗学の文献、さらに外国の作品も視野に入れ、日本の「人魚」像の原点を探る2012/05/29

サチ

1
資料用。必要なところだけ飛ばし読みで。日本の人魚の最初からローレライ、アンデルセンから八百比丘尼まで、知りたかったことがほぼ書いてあっておもしろかった。なんなら日本に外国の人魚像がはいってきた時期から文学への影響、イメージの変遷、外国のキリスト教的死生観の影響と日本人の捉え方と気質の違いの比較などなど。谷崎から中原中也、萩原朔太郎に白秋まで…必要ないとこまで楽しめてしまった。またちゃんと読みたい。2019/05/11

あおい

1
卒論用。人魚姫の比較。2016/06/17

fuchsia

0
民俗学、文化人類学的な視点と文学史・文献学的な手法で捉えた日本の人魚。日本も狭いようで広いので、北方人魚と南方人魚のルーツは違うらしい、とか面白かった。世界(ヨーロッパ)の人魚の考察もあったが、北欧のアザラシ人間とかはほぼ無し。古代日本においては謎のUMA、滋養強壮精力増大の薬だった人魚も時代と外国からの情報受容につれ、運命の女性・内なるアニマへと変化していくのでした。文学作品中の人魚列伝は良かったが、人魚兵器は取り上げられてたものの、ウォーレスの人魚は無視でした。ちょっと残念。2013/01/16

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