内容説明
アレゴリーとは「愛は盲目」や「光陰矢のごとし」などの抽象的な表現を、絵画などの具体的な表象を用いて古代の神話や聖書、あるいは中世の占星術に範をとり、比喩的かつ暗喩的に表わす方法のことである。絵画的には、その概念を明らかにするアトリビュートをともなう、擬人像として表現されることが多い。たとえば、本書で説かれる、西欧美術に表わされたアレゴリーの主要なタイプである“美徳”と“悪徳”のように。
目次
はじめに
異教の神々
美徳と悪徳
自由学芸
五感
時
おわりに
ブック・ガイド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
64
アレゴリーとは、本来とは別のように語るというギリシャ語ラテン語に由来する寓意。ルーベンスは1630年スペインとイングランドに和平をもたらした外交官でもあった。「マルスを退け平和を守るミネルヴァ(平和と戦争のアレゴリー)」はチャールズ一世に献呈された絵画。表紙の「ウェヌスとクピドをともなうアレゴリー」はフィレンツェの宮廷画家ブロンズィーノが描いた1540年代コジモ1世からフランス王フランソワ1世への外交上の贈り物。エロスの極みと周囲には快楽・欺瞞・嫉妬・絶望・梅毒の擬人化など絵は詩のごとく描かれていた。2020/07/23
monado
0
この薄さにしてはコンパクトにまとめてあり読みやすいが、紹介がざっくりとしすぎてはいる。ただ日本ではあまり紹介されない絵画が例として使われていて、興味深かった。また、ありな書房にしてはお安い。2015/06/01
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