内容説明
五感のイメージ/表象化。西風が運ぶ女神フローラの薔薇の香りに、後朝の美しい裸女のもつ薔薇の花束に、薔薇の花と香りに囲まれた聖母のロザリオに、ユディットの振り下ろす剣の深紅の血飛沫に、そしてプシュケの婚宴を言祝ぐ薔薇の花綱に、ルネサンス/バロックの香りたつ薔薇と深紅の表象に、感覚を媒介したイメージの生成を視る!
目次
第1章 健やかな生を求めて―サンドロ・ボッティチェッリ“プリマヴェーラ”における庭園の甘美な香り
第2章 かぐわしき夜明けの薔薇と銀梅花―ティツィアーノ“ウルビーノのウェヌス”
第3章 ロザリオ―香り高き薔薇の花冠の祈り
第4章 ローマの血飛沫―カラヴァッジョ“ホロフェルネスの首を刎ねるユディット”の諧謔