内容説明
米軍の抑止力の一部を「自己負担」するといくらかかるのか?弾道ミサイル防衛、シーレーン防衛、在沖縄米軍基地の日米共同使用を含む島嶼防衛のコストとは―“同盟”と“自主・自由”の問題を数字の観点から考える!
目次
第1章 同盟のコストとリスク
第2章 トランプ政権の登場と日米同盟の行方
第3章 日本を取り巻く戦略環境
第4章 日米同盟の費用対効果
第5章 弾道ミサイル防衛
第6章 シーレーン防衛
第7章 島嶼防衛と在沖縄海兵隊の代替
著者等紹介
武田康裕[タケダヤスヒロ]
北海道大学法学部を卒業。東京大学で博士号(学術)を取得。防衛大学校国際関係学科兼総合安全保障研究科教授。専門は国際関係論、比較政治、アジア安全保障。主著に『民主化の比較政治―東アジア諸国の体制変動過程』(ミネルヴァ書房、2001年/大平正芳記念賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mc6ρ助
8
「巻き込まれリスク」と「見捨てられリスク」を回避できるなら、「同盟」は賢い選択だそうだけど、その維持のために、著者の言う適正な「防衛コスト」、弾道ミサイルなど1兆6,588億8,300万円を投資したとして、基地問題など「自立性コスト」をどれだけ軽減できるか当然ながら言及がない。遠交近攻ではないにしても中国に対するによい同盟相手のはずだが、二つのリスクを吊り上げるトランプ君相手に何が合理的か、素人には甚だ疑問に思われる。彼と習君とどちらかをお友達に選ばなければならないとするならば、その世界はすでに息苦しい。2020/01/19
matsu
3
政治的、道義的コストというよりも、もし日米同盟を転換するならどのくらいのお金が必要になるのかを、安全保障の面から考察した本。とても面白かった。こういう本で日本の軍事面でのあり方を議論するきっかけになって欲しい。2019/10/13
ミッキー
1
実務家が分析すると地に足がついた議論となり分かりやすい。具体的な数字が出るのが良いが、誘導したい方向性が見えてくるのが気になる。片面講和と安保の組み合わせをあっさり書くあたり良い。参考になります。2019/12/31
Meistersinger
1
日米同盟を維持したまま日本の自律性を高めるにはハウマッチ?な本。年一兆円以上必要な上に、それでもGDP2%の国際基準には届かないと。2019/09/21
だいちゃん
0
事実関係の不正確さや論理の飛躍が目につき、残念であった。 他方、米軍の抑止力を一部日本が負担するとどの程度の経費になるかを試算するのは面白い試みであった。特に、同盟に係るコストを防衛コストと自律性コストに分けていた点は興味深かった。2021/01/18