目次
第1章 社会学とはどういう学問か
第2章 現代社会とジェンダー
第3章 現代の家族―家族の多様化と結婚・離婚の現在
第4章 ソーシャルワーカーと相談援助―社会福祉の専門職とは
第5章 医療の社会学―「医療化」の概念等に沿った医療社会学概論
第6章 キュアからケアへ―現代の看護学における専門性の高まりについて
第7章 看護師・介護職のストレスと支援の社会学―介護看護現場における感情労働とバーンアウトの問題と対策
第8章 グローバリゼーションの時代の看護と介護―経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れを事例として
第9章 死の社会学
第10章 研究発表をしてみよう―説得力のある研究発表のため円滑な要点整理と報告の場でのテクニック
著者等紹介
濱野健[ハマノタケシ]
ウェスタンシドニー大学人文学部博士課程修了。PhD。北九州市立大学文学部人間関係学科准教授。専攻は社会学及び文化研究。主な研究領域はグローバリゼーションに伴う家族の変容など
須藤廣[スドウヒロシ]
日本大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。跡見学園女子大学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授。北九州市立大学名誉教授。専攻は観光社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
2
再再読。他の看護系の社会学入門書に目を通した後に改めてみると、奇跡的なバランスとして成り立っているようにさえ感じる。看護学校の多い九州の研究者たちが書いているからだろうか、現代日本の看護過程に属する人々にとって入りやすくかつ実用的な知識が揃っている。概念の突っ込んだ説明がないのはやはり物足りないのだが(例えば感情労働やバーンアウトという用語は出しても表層演技/深層演技や感情規制などの説明はなし)、指標化されたデータも紹介するなどの目配りが現代的に効いている。学生が看護師になってからの勉強会等まで使えそう。2018/09/06
ぷほは
2
去年読んだときは「そういうことじゃないんだよなぁ~」という感じだったのに、今読むと良書という気がしていくる。グローバル化を扱う章で経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れ状況を事例に扱うあたりがなかなかいい。コラムで紹介される『クレーマー・クレーマー』や『アイアムサム』などの映画作品も、善人ヅラの革を剥がすような皮肉の効いた作品で反省の材料として申し分ないチョイスだと思う。ただし。少なくとも90年代頃まではあったはずの社会学の「批判力」(批評力ではない)がごっそり削ぎ落ちているのは気になる。2018/02/09