出版社内容情報
内的葛藤、自我や転移/逆転移など、精神分析を基盤とする力動精神医学。それに基づきケースをアセスメントする精神力動的診断をわかりやすく解説し、より深くアセスメントする視点を提示する。アセスメントの力量をより高めたい人必
目次
第1部 精神力動的診断の枠組み(力動精神医学の成り立ち;関連する用語について;精神力動的診断とは;今日的な精神力動的診断)
第2部 精神力動的診断の方法(精神力動的な診断・アセスメントのための面接;対象喪失概念をアセスメントに活かす)
第3部 精神力動的観点の応用(薬物療法をめぐる力動的な視点;入院治療や入所施設における力動的なアセスメント;家族を力動的にアセスメントする;発達障害臨床と精神力動的な観点)
著者等紹介
近藤直司[コンドウナオジ]
大正大学人間学部臨床心理学科教授。1962年東京生まれ。東海大学医学部卒。東海大学医学部精神科学教室、神奈川県立精神医療センター芹香病院、山梨県立精神保健福祉センター所長(山梨県中央児童相談所副所長を兼任)、山梨県都留児童相談所所長、東京都立小児総合医療センター児童・思春期精神科部長を経て、2014年より現職。日本思春期青年期精神医学会運営委員、日本児童青年精神医学会評議員、日本精神分析学会認定精神療法医・認定スーパーバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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riviere(りびえーる)
15
著者2冊目。タイトル通りアセスメント技術を”深める”ために精神力動的な視点を使いましょうという本。力動的な視点はクライアントの主観的体験を重視すると同時に、援助者側のアセスメントにも主観的な要素を多く含むことになる。”主観的”というか”一人称的”に「私はこうに思う、こう考える」これがアセスメントに大事な視点なのであると著者は言う。そして実はそれが難しい。なぜなら自分の判断に自信が持てず不安を伴うことが往々にしてあるから。著者の方法を取り入れてケース会議を行っているが、今のところ好評。 2020/05/20
なっしー
1
ページ数が少なくわかりやすい。こういう力動的な視点は別にオリエンテーションが精神分析でなくても必要だと思う。また、薬物療法の力動的な視点は他ではなかなか書かれていないと思う。医師でなくても、例えば医療紹介したいケースで薬物が効くかどうか、継続して服薬できるかどうかの見立てを力動的な視点から見るといったことも重要だと思う。さらには、病院臨床でのケースでも薬物との並行面接を行う際も非常に役に立つと感じる。2019/02/08
金子みゆ
1
近藤先生の本。 高める、方は日々活用しておるです。今回初めてこっちも読んだ。例えが口語体で載っていてわかりやすかった。あとがきを読んでなるほど、と思った。2017/04/03
novutama
1
著者の語り口はいつも平易で小気味好い。人を理解することを生業とする人たちにとって、精神力動的視点が今も役に立つこと、何より共通言語として有効なのだとよく分かる。専門外の人が読んでどれほど理解できるかはわからないが、誰かを深く理解したいと願うなら、職業であるかどうかは実は問題ではないのかもしれない。医療だけでなく精神保健福祉や児童福祉現場で地道な臨床を続けて来た著者が後進に贈る「叡智のパッケージ」だ。2016/08/30