内容説明
中国の「社会主義的市場経済」に対応する経済法体系は、第一に国有企業を中核とする公有経済と市場経済の関係、第二に外資導入政策の結果、強力な存在となった外資の中国国内経済における位置づけ、第三に都市と農村の二重の社会制度との関係という基本問題を抱えている。「戦略的互恵関係」という日中新時代に向かうに当たり、外国企業から見た実務的関心を基本として、中国経済法の急速な整備について総括的に整理した。
目次
第1章 外資政策の大転換―WTO加入5年(2007年現在)の外資優遇政策の変化及び外資企業関連法
第2章 国有企業改革と外資企業への影響―外国企業が知っておくべき株式会社化の実状
第3章 外資によるM&Aとその法制度の実情―国有企業のハイブリッド企業化と外資によるM&A
第4章 企業破産法―政策性破産から経済性破産へ
第5章 中国独占禁止法採択―国内市場統一と「行政独占」及び堅持される外資導入政策
第6章 私営企業の躍進―中国市場経済の強力なエンジン
第7章 物権法の下の土地使用権―都市と農村二重の土地制度の下の建設用地使用権と外資企業
第8章 知的財産権のWTO対応法制と実効性―「自主創新」・R&Dと模倣品
第9章 労働契約法―中国政府、労働者保護へ大胆に舵きり
著者等紹介
高木喜孝[タカギヨシタカ]
弁護士。東京大学法学部卒業、新聞学修士課程修了(社会学修士)、同博士課程単位取得。1985年以来中国渉外法務に携わる。1996年以来中国判例・仲裁判断例研究会を主宰。日中法律家交流協会専務理事、日本国際貿易促進協会法律顧問
兪浪瓊[ユランチウン]
中国弁護士・法学修士。2003年7月より2007年3月まで東京で中国弁護士として日中渉外法務に従事。2007年4月帰国、上海において弁護士業務を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。