現代韓国社会を知るためのハンドブック

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  • サイズ B6判/ページ数 606p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750322766
  • NDC分類 302.21
  • Cコード C0036

出版社内容情報

現代韓国の社会問題を労働、教育、女性、高齢者、宗教などさまざまな側面からとらえ、分析する。宗教別の人口調査や高齢化にともなう社会問題の所在など日本との比較にも貴重な資料となる。原著は韓国では韓国放送通信大学のテキストとして使用されている。

学習案内
序論 社会問題とは何か(韓均子/韓国放送通信大学校文化教養学科 教授)
第1章 不平等の問題(韓均子/韓国放送通信大学校文化教養学科 教授)
第2章 教育問題(金秉寛/亞州大学校社会学部 教授)
第3章 労働と職業(朴徳濟/韓国放送通信大学校経済学科 教授)
第4章 貧困問題(李廷雨/慶北大学校経済通商学部 教授)
第5章 都市と農村(韓道鉉/韓国精神文化研究院社会教育系列 教授)
第6章 不正腐敗の構造と特性(金成彦/韓国刑事政策研究院 副研究委員)
第7章 地域主義(金萬欽/カトリック大学校国際学部 教授)
第8章 犯罪問題(尹玉卿[卿の正字]/京畿大学校社会学部 教授)
第9章 人口構造と変化過程(朴商台/西江大学校社会学科 教授)
第10章 女性問題(咸仁姫/梨花女子大学校社会学科 教授)
第11章 家族問題(咸仁姫/梨花女子大学校社会学科 教授)
第12章 高齢者問題(趙成南/梨花女子大学校社会学科 教授)
第13章 保健医療(金英任/韓国放送通信大学校看護学科 教授)
第14章 余暇と暮らしの質(金聖基/韓一長信大学校人文社会学部 教授)
第15章 宗教問題(尹以欽/ソウル大学校宗教学科 教授)
第16章 情報化社会(金聖基/韓一長信大学校人文社会学部 教授)
第17章 環境問題(李必烈/韓国放送通信大学校文化教養学科 教授)
結びの言葉(韓均子/韓国放送通信大学校文化教養学科 教授)
訳者あとがき

訳者あとがき
 本訳書の原本は、韓国放送通信大学校の教材『韓国社会問題』(韓均子ほか14名共著、韓国放送通信大学校出版部、2003年1月25日、初版2刷)である。巻頭の「学習案内」によれば、この教材は大学1、2学年を対象とする一般教養の性格をもつ科目であり、3,4学年においてより専門的な学習に進む前の、基礎的・概括的な知識を身に付けることを目的としている。けれども本書の内容を確かめていけばおわかりのように、「基礎的・概括的」といっても、それは「表面性・個別性」を意味するものではない。それぞれのテーマを読み進めていくと、社会学の基礎理論の解説、深層横断的な診断・分析、興味ぶかい具体的データの提示などを通じて、韓国現代社会が直面する諸問題の全貌が浮かび上がってくる。
 ここで取り上げられたテーマとしては、第一部の「平等な社会のために」では「不平等」「教育」「労働と職業」「貧民」「都市と農村」を、第二部の「正義に溢れる社会のために」では「不正腐敗の構造と特性」「地域主義」「犯罪問題」を、第三部の「調和のとれた社会のために」では「人口構造」「女性」「家族」「高齢者」を、第四部の「豊かな社会のために」では「保健医療」「余暇」「宗教」「情報化社会」「環境」を扱っている(本訳書では第一部~第四部と分割せずに編成した)。このように17という多数のテーマについて、各章ではそれぞれの抱える「問題」の内在的分析と、それへの具体的対応策が提示されているのである。
 最近、日本では「韓国ブーム」の余波からか、韓国について表面的・外見的な知見が増えてきたように思われる。現代韓国の社会問題に対しても、ひととおりの見識を披露する人たちがいる。「日本と“似ているようで異なる”韓国のことを云々したい」、その気持ちは私にもよくわかる。けれども、その「見識」や「発言内容」は確かな理論と実証に基づいているというよりも、表面的な「観察」にすぎないものが多いようだ。
 韓国の社会問題に対する発言は自由だが、その前に本書を一読されるようにお勧めしたい。そうすれば発言者の見識は一段と深まりを示し、その発言にはいっそう重みが加わるだろう。
 本書で扱われたテーマは、日本でも同じように社会問題化しているものがほとんどである。日本の抱える社会問題について、多くの人々は、当然、ひろい識見を備えているはずだから、本書で扱われた韓国の社会問題についての理解も比較的容易だろうし、“似ているようで異なる”部分に対する分析にも、共感していただける部分が多いのではないだろうか。さらに読者は、本書のなかから日本の社会問題への対応策のヒントを得られるかもしれない。

2006年3月10日
舘野 

目次

社会問題とは何か
不平等の問題
教育問題
労働と職業
貧困問題
都市と農村
不正腐敗の構造と特性
地域主義
犯罪問題
人口構造と変化過程
女性問題
家族問題
高齢者問題
保健医療
余暇と暮らしの質
宗教問題
情報化社会
環境問題
結びの言葉

著者等紹介

舘野〓[タテノアキラ]
1935年、中国大連生まれ、法政大学経済学部卒業。自由寄稿家、韓国語翻訳家。2001年10月、韓国文化観光部長官より「出版文化功労賞」を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。