明石ライブラリー
新版 在日コリアンのアイデンティティと法的地位 (新版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750322520
  • NDC分類 316.81
  • Cコード C0336

出版社内容情報

かつて在日外国人の大半を占めた在日コリアンは現在ではその比率が40パーセントになった。60年の間に持ち上がった日本国籍の一方的剥奪、永住権をめぐる問題、指紋押捺、戦後補償、地方参政権問題などへの在日コリアン第一号弁護士としての取り組みと思索。

新版の刊行にあたって
はじめに
1 在日のアイデンティティ
 在日同胞二世の八・一五
 ソウル雑感
 私の“朝鮮人への道”
 同化政策と闘う六八万在日同胞
 M博士への手紙
 なぜ本名を使えぬのか
 「民族共生教育をめざす東京連絡会」の結成にあたって
 在日同胞社会、半世紀の現況と課題
 内外人平等の夢
 自分を取り戻す道
 最高裁大法廷判決をめぐって――東京都外国籍職員の管理職昇任試験拒否訴訟
 在日問題と日韓関係の未来を考える
2 法的地位
 在日韓国人の強制送還問題
 在日韓国人の指紋押捺
 指紋裁判判決の批判
 外登法改正――運動の意味と課題
 在日韓国人の教員採用
 「九一年問題」と在日韓国・朝鮮人――日韓法的地位協定
 在日韓国・朝鮮人の永住権
 九一年日韓覚書後の法的地位の課題
 在日韓国人の韓国における参政権
 地方参政権と在日同胞の役割
 在日コリアンにとって国籍と地方参政権とは
 地方参政権、永住外国人も早く認めて
 民族と国籍
 韓国国籍法改正と在日韓国人
 在外同胞法案を見て――望まれる本国参政権
3 戦争責任/戦後補償


新版の刊行にあたって
 『在日コリアンのアイデンティティと法的地位』が出版されて一〇年が経過した。今年は戦後六〇年の節目を迎える年でもあるが、在日コリアンの戦後六〇年は二〇年ごとの節目をもって考察することができる。植民地統治の悲哀を直接に体験した在日一世は、独立建国型の国籍意識を堅持し、解放後の祖国建設や在日同胞社会創設に邁進してきた。
 南北分断という厳しい国際政治情勢下で、分断国家の一方である韓国と日本とによってのみ締結された日韓条約、在日韓国人の日韓法的地位協定(一九六五年)によっては、在日コリアンにふさわしい法的地位や人権は確立されず、当条約以降在日コリアン二世は反差別的国籍意識を標榜して自らの民族的尊厳の確立と基本的人権確立に邁進してきた。
 そのような在日コリアンの努力は、国際人権条約や難民条約の批准といった日本の国際化を触発し、一九八五年には日本国籍法の父母両系主義が実現した。
 在日コリアンと日本人間の国際結婚の増加と国籍法の改正は、国籍や民族が選択の余地のない絶対的なものから、在日コリアン三、四世各自が自己実現を果たしていく上で、それぞれの環境や能力に応じてこれを選択しうるという相対

目次

1 在日のアイデンティティ(在日同胞二世の八・一五;ソウル雑感;私の“朝鮮人への道” ほか)
2 法的地位(在日韓国人の強制送還問題;在日韓国人の指紋押捺;指紋裁判判決の批判 ほか)
3 戦争責任/戦後補償(サハリン裁判報告;在日二、三世にとっての戦後補償;戦後補償問題の現状―七・一五判決について ほか)