日韓交流授業と社会科教育

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日韓交流授業と社会科教育

  • 谷川 彰英【編著】
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 明石書店(2005/08発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 320p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784750321615
  • NDC分類 375.3
  • Cコード C0037

出版社内容情報

日本と韓国との歴史認識の違いとは? 生徒はお互いをどう見ているのか? 日本の現場高校教師が韓国の高校生に向けて、朝鮮通信使、食文化、映画やドラマ、アニメなどさまざまなテーマをめぐって、歴史・現代社会の交流授業を実践した記録とその分析。

序文(李 元淳)
日韓交流授業の挑戦(谷川彰英)
 1.“冬ソナ”ブームと「竹島」問題/2.1981~82年の教科書問題/3.教科書問題を超えて/4.「授業」で勝負する!/5.日韓交流授業でねらったもの/6.交流授業の内容とメッセージ
第1部 日韓歴史授業への挑戦
 朝鮮通信使と日本――江戸時代の民間交流――
  1.なぜ朝鮮通信使か/2.「朝鮮通信使来朝図」に見る日本人/3.書を求める日本人/4.今も残る朝鮮通信使の文化/5.生徒の感想/6.通信使から学ぶこと
 善隣友好の歴史に学ぶ――雨森芳洲と「誠信」外交――
  1.授業づくりの社会的前提と私たちのねがい/2.本授業におけるアピールポイント/3.「誠信ノ交」とは/4.雨森芳洲研究の現在
 忘憂里は語る――植民地時代に生きた浅川巧――
  1.忘憂里に眠る日本人/2.「生まれながらの名前で呼びかける」/3.浅川巧を扱う意義/4.対話の始まり/5.韓国の高校生の声
 陶磁器から見た東アジア
  1.「イマリ」/2.日本における磁器/3.イマリの誕生/4.なぜイマリが輸出されたのか/5.ヨーロッパにおけるイマリの影響/6.実際の授業/7.日韓どう違う?/6.データに見るキムチ/7.「漬物」でなくなった? キムチ/8.サッカーとキムチ
 「姓の変更」と「同姓不婚」――日本と韓国の婚姻制度――
  1.同じ姓を名乗ること/2.韓国の夫婦別姓/3.日本の姓と家/4.守るべき「血統」と「家」/5.現代の問題として
 外国人労働者と日本社会
  1.「見えないもの」を「見える」ように/2.1997年までの「外国人労働者」/3.1997年以降の「外国人労働者」/4.学びは続く
 CMからさぐる日本経済
  1.CMという教材/2.「リゲイン」のテレビCM/3.登場人物はサラリーマン/4.景気変動の影響/5.CMのヒットとドリンク剤市場/6.CM授業の可能性
 音楽から“Global Issues”を考える
  1.“Global Issues”と向き合うために!/2.共感と公共性について/3.開かれた公共性と音楽/4.“We Are The World”の活動の可能性/5.音楽から浮かび上がるメッセージ
 Lovely Whales ――鯨問題でディベート――
  1.捕鯨問題が伝えること/2.韓国での捕鯨/3.捕鯨の授業化/4.捕鯨問題の視点/5.捕鯨を扱ってみて
 【コラム】韓国の米軍
第3部 日
 韓国の学校教育と高校生
  1.韓国と日本/2.韓国の戦後教育の変遷/3.韓国の教育の特徴/おわりに
 韓国の教科書制度を問う
  はじめに/1.韓国の教育改革政策と教科書の性格の変化/2.第7次教育課程による教科書編纂の方向/3.第7次教育課程による教科書編纂の問題点/4.教科書制度の改善と基本方向/おわりに
第5部 日韓で社会科教育を考える
 日韓の歴史教育交流の意義について(加藤 章)
  はじめに/1.日本における歴史意識の変化/2.韓国現代史と歴史認識/3.日韓歴史教育交流の展開
 東アジアの歴史教育の未来――中国人民教育出版社刊教科書『歴史と社会』を見て――(二谷貞夫)
  はじめに/1.中国の歴史教育改革の特徴:課程標準の登場/2.『歴史と社会』のねらいと歴史教育/3.東アジア共同体論と歴史教育のあり方/まとめにかえて
 21世紀のグローバル化時代における歴史教育のあり方(李 明熙)
  はじめに/1.韓国歴史教育の問題点と課題/2.日本の歴史教育の問題点と課題/3.「日韓交流授業」実践(1995~2002年)の歴史教育的な意義/おわりに
 日韓相互理解教育の新たな課題――韓国青

序文
李 元 淳(ソウル大学校名誉教授)

 1945年8月15日以降1960年代前半までは、韓国と日本の両国は、それぞれ政治的急変や社会的変革に気を取られて、両国の間に横たわった過去の不幸な歴史を精神的に清算するための歴史的対話を行う余裕を持たずに、自分だけの課題に専心してきた。このような両国に対して、歴史・歴史教育の対話を促したのは、国連機関のユネスコ(UNESCO)であった。1965年、パリで開催されたユネスコ総会は、恒久的な国際平和の実現のためには国際理解が増進されなければならないという、共同合意を打ち出した。それによって、ユネスコは、世界の各国に、国際理解を推進するために努力するよう訴えるキャンペーンを展開した。
 とくに、ユネスコは、政治的に支配・被支配の悪因縁の歴史を共有する国家間の歴史認識や硬直した歴史教育が、平和推進の障碍として機能すると診断した。そして、こうした因縁を持ち合った国家間の歴史・歴史教育の積極的な対話を、総会の決議を通じて勧告した。当時、韓日両国のユネスコ国内委員会は、前向きな姿勢をもって、その勧告を受け入れるようになった。両国は、ユネスコ本部事務局の取り持ちで、歴史上初めて「歴史・歴史教育の原論的・総論的研究が中心であった時期である。一方、当時、日教組の勢力によって左派的な理念が強く反映された歴史教科書についての検討・研究も行われた。
 第二段階は、1982年に起こった日本の歴史教科書問題に刺激されて、歴史教育・歴史教科書問題についての研究が活発になった時期である。この時期の研究は、韓国だけでなく日本においても、良識ある研究者によって幅広く進められた。歴史歪曲の意図をはじめ、歪曲の内容、そして歪曲の是正を要求するための研究などが蓄積される中、歴史教育問題についての理解は、両国の研究者はもちろん、市民社会のレベルにおいても広まっていった。その結果、歴史教育がなぜ国際社会において問題となるか、またその問題の本質は何か、などについての総論的な理解が市民社会の中に蓄積されるようになった。このような「理解」の普及とともに、多様なパイプを通じた研究交流や学問的対話が成長するようになった。
 第三段階は、第一段階における総論的研究、第二段階における問題の個別的研究や是正のための努力と交流活動等の延長線上に展開された。すなわち、未来世界の歴史的発展に参加することができ、また隣国同士の間に展開される未来の歴史をただの研究書ではない。それは、日韓の歴史や文化などから教育内容を選定し、韓国の共同研究者の支援と韓国の高等学校の協力の下で、韓国の高校生を対象として、研究・開発者たちが直接授業を実践して共同で検証した成果である。それだけに本書は、国際理解に有益な実践的価値を持つ研究報告書であると確信する。
 私は、本書を一つの研究報告書として受け止めるのではなく、両国の歴史教師や研究者たちが相互理解や親善のために参考にすべき第一の書として取り上げたい。そして、両国の歴史認識の間隔を埋め、お互いの歴史を尊重しながら信頼し合える「歴史の同伴者」を育てるのに有用な教育書であると確信する。さらに、今後もこのような実践的研究と交流活動がますます活発になることを期待する。
 心よりこの本の出版を歓迎する一方、このプログラムに参画した若い研究者たちに敬意を表し、今後もより活発な研究に精進してくださるようお願いしたい。

2005年 3月

内容説明

この書物は、日韓の歴史や文化などから教育内容を選定し、韓国の共同研究者の支援と韓国の高等学校の協力の下で、韓国の高校生を対象として、研究・開発者たちが直接授業を実践して共同で検証した“国際理解に有益な実践的価値を持つ研究報告書”である。

目次

第1部 日韓歴史授業への挑戦(朝鮮通信使と日本―江戸時代の民間交流;善隣友好の歴史に学ぶ―雨森芳洲と「誠心」外交 ほか)
第2部 現代社会をどう教えたか(日韓はキムチでつながる;「性の変更」と「同姓不婚」―日本と韓国の婚姻制度 ほか)
第3部 日韓の文化を考える(唐辛子で見る日本と韓国の文化;高校生の恋愛・結婚観に見る日本と韓国 ほか)
第4部 韓国の教育制度―シンポジウムより(韓国の学校教育と高校生;韓国の教科書制度を問う ほか)
第5部 日韓で社会科教育を考える(日韓の歴史教育交流の意義について;東アジアの歴史教育の未来―中国人民教育出版社刊教科書『歴史と社会』を見て ほか)