韓国食生活文化の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 773p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750321080
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0022

出版社内容情報

1自然環境と食生活文化の関係、2その歴史過程、3韓国の儀礼規範変遷と飲食の関係から、考古学・土地制度史等の歴史学、科学技術や薬学の発達史、さらには家族制度の変遷や祭事関係等まで視野に入れ、代表的な韓国料理を網羅する韓国食生活文化史の決定版。

1. 韓国食生活文化の歴史
 第1章 食生活文化の意義と特性、研究方向
  1. 食生活文化の意義
  2. 食生活文化の特性と研究方法
 第2章 自然環境と食生活文化
  1. 人類の主要栽培植物はイネ科植物
  2. 家畜の分布と利用法
  3. 自然環境と主要食品の構成
 第3章 韓国の自然環境と食生活文化
  1. 水陸両面の地理的位置と産物や文化交流の多面性
  2. 地形、気候と飲食文化の多様性
  3. 海岸と海流
  4. 自然環境と作物栽培
  5. 自然環境と食生活管理
  6. 時代区分と社会環境
2. 韓国飲食文化の歴史過程
 第1章 狩猟採集経済時代の食生活――旧石器時代を中心に――
  1. 旧石器時代の食糧と食生活
 第2章 農業の発達から稲作の伝播期――新石器時代中期から青銅器時代――
  1. 雑穀栽培による原始農耕の開始
  2. 稲作の始まりと五穀の結合栽培
  3. 原始農耕時代の調理加工用具と料理
 第3章 鉄器文化による農耕生活の定着――初期鉄器時代から連盟国家時代――
  1. 鉄器文化の展開と農業の発展
  2. 魚介類と野菜、家畜農水産食品
  2. 畜産食品とその加工品
  3. 進上食品と薦新(せんしん)食品
  4. その他の食品
  5. 救荒(きゅうこう)施策と蔵氷(ぞうひょう)・頒氷(はんひょう)制度
  6. 医・薬学の発展と科学の進歩による食生活の科学化
  7. 儒教的な大家族生活と家庭料理の発達
3. 食生活の規範と主要料理の歴史
 第1章 儀礼の規範と料理
  1. 子供のための祝賀礼
  2. 婚俗の変遷と婚礼料理
  3. 相続制度の変遷と祭礼料理
  4. 朝鮮王朝の宗廟(そうびょう)祭礼の祭需
  5. 朝鮮王朝の宮中宴会
 第2章 賓客のもてなしと宴会料理
  1. 賓客をもてなす手筈と酒の膳
  2. 朝鮮朝時代の酒宴と宴会
  3. 宴会料理
  4. 朝鮮朝時代の家醸酒(カヤンジュ)

訳者あとがき
 (前略)ところで、食べ物の話には、ナショナリステックな感情がつきまといがちである。これは、食物が生命の根源であることから、民族の心もまた伝統の料理によって育まれてきたという感覚を、誰しもが、知らず知らずのうちに身につけてしまっていることによる。
 日本の食文化を紹介する本で、「日本人は世界でもまれな雑食民族である」とか「日本酒こそは日本人が造りあげた民族酒である」とかいった言い方があたり前のように唱えられるが、この言葉の裏側にナショナリズムを感じるのは私だけではないだろう。それは、日本の歴史を語る場合にしても同様である。これと同じようなことが韓国でも行われている。
 だが、これらは郷土愛にもつながる愛国的な感覚とも不可分なものなので、互いにある程度は容認されるべきものであろう。ところが、これらの臭いを鋭敏に嗅ぎ分け、強く反発する気風が日本と韓国にはある。近親憎悪にも似たこの感覚が嵩じると、互いの文化が見えなくなってしまい、互いを無視しがちになる。
 そのためであろうか、日本では朝鮮半島の食文化史についての関心はきわめて低く、ほとんど知られていない。これに対して韓国では、この本の著者をは内容となっており、日本の食文化史を理解する上での大きなヒントになるように感じられる。そして、日本の中だけで、日本の食文化を考えることのおろかさを感じ取ることができることだろう。
 欧米では、近隣地域の文化を学ぶことによって、自国の文化を知ったり考えたりすることがあたり前のように行われている。隣接するもの同士の類似する点や相違する点を知ることこそが、自らのアイデンティティを自覚し、自らの文化を高めることにつながることを知っているからに他ならない。
 ところが、日本のこれまでの学問は、植民地支配の時代に強化された文化的・民族的な蔑視感が、無意識的ではあるが広く根を張っており、今日でも朝鮮半島のことを避けようとする傾向が見られる。それは、先に指摘したように、大学に朝鮮半島の食文化史の講座が一つもないことからも明らかである。こうして我々日本人は、自らを客観視するに最も好都合な対象を無視したまま今日に至っているのである。そのおろかさを、この本を読んで自覚してほしい。
 申し遅れたが、この本は韓国の料理史の本としても最高レベルと思われる。そして、ほとんどの韓国の代表的な料理について述べられているが、煩雑で数多くの原

目次

1 韓国食生活文化の歴史(食生活文化の意義と特性、研究方向;自然環境と食生活文化;韓国の自然環境と食生活文化)
2 韓国飲食文化の歴史過程(狩猟採集経済時代の食生活―旧石器時代を中心に;農業の発達から稲作の伝播期―新石器時代中期から青銅器時代;鉄器文化による農耕生活の定着―初期鉄器時代から連盟国家時代 ほか)
3 食生活の規範と主要料理の歴史(儀礼の規範と料理;賓客のもてなしと宴会料理)

著者等紹介

尹瑞石[ユンソソク]
1923年生まれ。東京女高師(現、お茶の水女子大学)家事科卒業。中央大学校で理学博士学位授与。京畿女高教師、明知大学教授、中央大学校教授、中央大学校師範大学長、中央大学校家政大学長。大韓家政学会会長、韓国調理学学会会長

佐々木道雄[ササキミチオ]
岩手県盛岡市生まれ。山形大学文理学部卒業。現在、朝鮮半島を中心とする東アジアの食文化史の研究に専念
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感想・レビュー

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0
食品ごとの索引がついててよかった2011/06/10

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