国際開発ハンドブック―NGOのフィールドメソッド

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  • サイズ A5判/ページ数 347p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750320991
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C0036

出版社内容情報

編者の講座「国際協力論実習」の受講生が、国際開発の現場で取材した調査報告論文。戦後復興、児童福祉、農村開発、保健医療、所得向上、教育開発、環境保全、自立支援の主要開発問題8分野にわたり、取材対象国・団体は47ヵ国・60団体にのぼる。

序文
第一部 フィールドメソッドの理論
1 フィールドメソッドとは
 フィールドメソッドの定義/フィールドメソッドの成立/フィールドメソッドの普及/フィールドメソッドの構成要素
2 フィールドメソッド研究の課題
 日本におけるフィールドメソッド研究/海外におけるフィールドメソッド研究/まとめ
第二部 フィールドメソッドの実際
1.戦後復興
1‐1 難民への社会的心理的支援――クロアチア
1‐2 紛争終結後の経済復興支援――ユーゴスラビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ
1‐3 対人地雷被害者とその家族への自立支援――カンボジア
2.児童福祉
2‐1 ストリートチルドレンへの自立支援――ベトナム
2‐2 ストリートチルドレンの保護とリハビリテーション――ネパール
2‐3 ストリートチルドレン参加型の自立支援活動――バングラデシュ
2‐4 ストリートチルドレンの保護と養育――フィリピン
2‐5 ストリートチルドレン支援のネットワーク――インド
2‐6 虐待を受けた子どもへの包括的支援――タイ
2‐7 少女売春婦のリハビリテーションと自立への支援――ネパール
2‐8 障害児に対する地域基盤型リハビリテーショよる伝統工芸品の生産と販売――タイ
6.教育開発
6‐1 住民参加による学校建設――カンボジア
6‐2 職業訓練を兼ねた学校建設プログラム――ラオス
6‐3 基礎教育に対する包括的支援――カンボジア
6‐4 初等教育改善のための支援活動――ラオス
6‐5 成人識字教育――バングラデシュ
6‐6 指定カーストの子どもへのノンフォーマル教育――インド
6‐7 牧畜民に対する女子教育支援――ケニア
6‐8 NGO・自治体連携によるそろばん教育支援――日本
6‐9 スラムにおける図書館事業――タイ
6‐10 難民の幼児教育――レバノン
7.環境保全
7‐1 NGO・企業・政府の連携によるマングローブ植林――タイ
7‐2 植林による環境教育――フィリピン
7‐3 伝統的知識の普及による地縁的環境教育――ネパール
8.自立支援
8‐1 指定カーストに対する政治的エンパワーメント――インド
8‐2 組織化による指定カースト婦女子のエンパワーメント――インド
8‐3 マイノリティー移民のエンパワーメント――米国
8‐4 組織化と小規模融資による草の根の自立支援――インド
8‐5 小規模金融と識字教育による貧農グループの自立支援―

序文
 NGOに関する本は、日本で数多く刊行されている。しかし、ほとんどはNGO奮戦記ともいうべき活動記録集であり、国際開発の方法論を提示したものは極めて少ない。本書はNGO活動の方法論を、国際開発の「普遍的な方法」、すなわちフィールドメソッドとして抽出することを意図している。
 本書が生まれたきっかけは、編者が1996年より開講している宇都宮大学国際学部の専門科目「国際協力論実習」である。受講した学生は夏休みに国際開発の現場に出向いて調査を行い、レポートを提出する。編者はかねてから国際開発分野でのフィールドメソッド研究の必要性を感じていたが、このような研究こそ、学生と共同でできると思いついた。学生による論文執筆は1998年から行っており、優秀作を選んで編集したのが本書である。本書はまた、大学における開発教育の実践報告書ということもできる。
 調査対象団体の選択は学生の自由に任せた。学生が調査の対象とした分野は、結果として、戦後復興、児童福祉、農村開発、保健医療、所得向上、教育開発、環境保全、自立支援の8分野となった。対象国は延べ47ヵ国、対象団体は延べ60団体に上る。
 執筆者は、編者を除き46名である。その内訳は現役学生

目次

第1部 フィールドメソッドの理論(フィールドメソッドとは;フィールドメソッド研究の課題)
第2部 フィールドメソッドの実際(戦後復興;児童福祉;農村開発 ほか)
第3部 フィールドメソッド研究の実践(フィールドメソッド研究の方法;フィールドメソッド研究と開発教育)

著者等紹介

友松篤信[トモマツアツノブ]
1976年名古屋大学大学院農学研究科を修了後、日本学術振興会奨励研究員を経て、1980年名古屋大学農学部助手。同年、国際協力事業団(現、国際協力機構=JICA)技術協力専門家としてインドネシアに派遣される(1980‐83)。その後、国際協力事業団特別嘱託を経て、1984年国際協力事業団・国際協力専門員(農業開発)。その間、国際食糧政策研究所(IFPRI、ワシントンDC)に客員研究員として勤務(1986‐88)する一方、12ヵ国で技術協力事業に携わる。1991年宇都宮大学農学部助教授を経て、1994年より宇都宮大学国際学部教授。専門は国際開発協力論。東京大学非常勤講師(「アジアオセアニア技術協力論」)。国際協力NGO、リソースネットワーク顧問。農学博士(名古屋大学、1980年)
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