• ポイントキャンペーン

世界人権問題叢書
インドの債務児童労働―見えない鎖につながれて

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750319216
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C0336

出版社内容情報

1500万人といわれるインドの児童債務奴隷の実態を世界的なNGOが調査・分析した報告書。農業をはじめ、カーペット、絹製品、宝石加工など様々な製造業の現場で子どもたちはどのような過酷な労働と生活を強いられているのか。

ヒューマン・ライツ・ウォッチと子どもの権利局
謝辞
第1章 要約
第2章 勧告
第3章 債務児童労働の状況
 債務児童労働の概要
 債務児童労働の要因――貧困と伝統
 「素早い指」など、児童労働にまつわる神話
第4章 関連法
 適用可能な国際法
 適用可能な国内法
第5章 債務に縛られた子どもたち
 ビディー(タバコ)
 銀細工
 合成宝石
 シルク産業
 皮革
 農業
 手織りの羊毛カーペット
第6章 インド政府の役割
 政府の政策、プログラム、イニシアチブ
 インド政府の法執行の失敗
第7章 結論――債務児童労働との闘い
 債務労働制(廃止)法の執行
 債務児童労働に代わるものを生み出す
追補
 追補A インド憲法(一部抜粋)
 追補B 債務労働制(廃止)法――一九七六年
 追補C 債務労働制(廃止)規則――一九七六年
 追補D 児童(担保労働)法――一九三三年
 追補E 児童労働(禁止及び規制)法――一九八六年
監訳者あとがき
著者紹介

"監訳者あとがき
 インターネットなどの普及や経済のグローバル化により、この地球はどんどん小さくなってきたといわれます。しかし、一粒二〇〇円もするようなチョコレートが販売され、小学生一人が二万五〇〇〇円のお年玉をもらう私たちのような社会がある一方で、この同じ地球上に、わずか二〇〇〇円ほどの親の借金のカタに、太陽の光も十分に浴びず奴隷のように何年も働かされ続ける子どもたちがいるということは、どれだけ知らされているでしょうか。信じがたいことですが、インドを含む南アジアでは現在でも実に多くの子どもたちが非人間的な奴隷状態で働かされています。
 児童労働は、戦争や災害ほど人目を引いたりメディアから注目されたりするものではありませんが、子どもたちの健康や貴重な子ども時代を日々奪い、子どもたちの発達する権利を侵害しています。そして、労働中に受ける暴力、虐待、搾取は子どもたちから尊厳を奪い、子どもの保護される権利を侵害しています。時には、雇用主からの暴力を受けて命を落とし、生きる権利を奪われる子どももいます。現在、世界には二億四六〇〇万人の子どもが働かされ、これら数多くの権利を侵害されていますが、当事者である子どもたちの""Small Change Bonded Child Labor in India's Silk Industry""(『小さな変化 インドのシルク産業における債務児童労働』)という報告書としてまとめています。その報告書は、シルク工場で働く子どもたちの多くが呼吸器系や皮膚系の病気を患い、糸や機械による切り傷を負ったり、身体の痛みを訴えたりしている実態を明らかにしています。さらに、工場の騒音のために聴覚を失ったり、暗い中での作業のために視力を失ったりしている子どもの他、多くの少女たちが雇い主に性的虐待を受けていることを記し、これらの人権侵害の責任は州政府及びインド政府にあると指摘しています。ご関心のある方は、本書とともにこの報告書をヒューマン・ライツ・ウォッチのホームページからご覧いただければと思います。(http://hrw.org/)(後略)"

目次

第1章 要約
第2章 勧告
第3章 債務児童労働の状況
第4章 関連法
第5章 債務に縛られた子どもたち
第6章 インド政府の役割
第7章 結論―債務児童労働との闘い

著者等紹介

甲斐田万智子[カイダマチコ]
1960年生まれ。国際子ども権利センター代表。立教大学大学院講師

岩附由香[イワツキユカ]
1974年生まれ。元国際子ども権利センター職員。ACE代表。グローバルマーチを日本で開催。大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)博士前期課程修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。