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現代中国叢書
現代中国の法制と法治

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750318929
  • NDC分類 322.922
  • Cコード C0332

出版社内容情報

「人治の国」と呼ばれて久しい中国は、現代化に向けて「法治」への模索をどのように進めているのか。1980年代以降、法整備につとめている中国が、さらに法による支配を貫徹するためにどのような課題を負っているかを分析する。

第一章 中華法系の略史
 第一節 中華法系の法律思想
 第二節 中華法系の形成と繁栄
 第三節 中華法系の特徴

第二章 近代法制および法律の導入
 第一節 法制近代化の模索
 第二節 近代的法律の登場
 第三節 中華民国の六法整備
 第四節 共和国における法制整備の歩み

第三章 立法体制と立法手続き
 第一節 国体と政体
 第二節 立法体制における分権化傾向
 第三節 全人大の組織構造および立法手続き

第四章 司法体制と審判制度
 第一節 人民司法体制
 第二節 裁判機関の独立審判
 第三節 司法腐敗と司法改革

第五章 「訟棍」(三百代言)から「律師」(弁護士)へ
 第一節 「訟棍」「訟師」の時代
 第二節 弁護士制度の導入と曲折
 第三節 現行弁護士制度について

第六章 刑罰の執行制度
 第一節 刑罰の執行制度の略史
 第二節 現行行刑制度の歩み
 第三節 監獄の管理制度、行刑腐敗および対策
 第四節 労働教養制度について

第七章 検察制度および法律監督
 第一節 検察制度の概要
 第二節 検察機関の職権
 第三節 訴訟監督の

 本書はまさに上記のことを念頭に置きながら中国の「法治国家」を目指す過程および現状を検証しようとするものである。中国の法制・法治に対し、国内外を含み、二つの現象が見られる。まず、中国国内において、殆どの研究者は各種の事情で、中国の現状に対しクレームをつけ、特に厳しい批判を展開することが充分にできず、ややもすれば、中国の現状を肯定し、賞賛を惜しまない御用学者になってしまう。しかし、この現象はここ数年来大きく変化した。学者は自分の目で現状を見つめ、自分の頭で物事を考え、自分の口で意見を述べるようになり、中国の法制・法治に対し時に辛らつな口調で批判を展開するものが少なくない。これは中国の法制・法治の現状ないしその行方を観察するのに生き生きとした資料を提供してくれるのである。もう一方で、日本を含む諸外国において、中国の歴史上の「人治」社会の先入観にとらわられ、中国の法制・法治建設に目を向けず、その改善、進歩状況を認めない態度を取る傾向が見られる。ごく稀ではあるが、中国の法制整備、法治建設を共産党の生き残り策として一蹴する現象さえある。したがって、日本を含む諸外国に中国の法制・法治に関する書物が経済、政治等に関する書物の法制を立法体制、司法、特に裁判のシステム、弁護制度、行刑制度、法律監督制度、法学教育および司法試験制度と分けて説明を進めている。最後に、本書は中国の法制・法治に関する書物であるが、中国の法制・法治に対する理解の一助として、中国現行法律について公法と私法に分け、二章を設けごく簡単にその概要を説明しておいた。(「序論」より抜粋)

内容説明

現在の中国は「法治」とは何かについても、コンセンサスが完全に形成されていないまま、試行錯誤を予想しながら、「法治」国家の建設に努めていく見切り発車となった。本書は、中国の「法治国家」を目指す過程および現状を検証しようとするものである。

目次

第1章 中華法系の歴史
第2章 近代法制および法律の導入
第3章 立法体制と立法手続き
第4章 司法体制と審判制度
第5章 「訟棍」(三百代言)から「律師」(弁護士)へ
第6章 刑罰の執行制度
第7章 検察制度および法律監督
第8章 法学教育および司法試験
第9章 憲法および刑事法律
第10章 民事関係法律について

著者等紹介

熊達雲[ユウタツウン]
1953年6月、中国江西省高安市生まれ。1975年上海外国語学院卒業。1988年中国社会科学院研究生院(大学院)法学修士号取得。1990年来日。東京大学文学部外国人研究院(~1992年)。1998年早稲田大学政治学研究科政治学博士号取得。1996年山梨学院大学法学部助教授。1999年山梨学院大学法学部教授(中国法、現代中国論の講議を担当)
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