脱グローバル化―新しい世界経済体制の構築へ向けて

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750318813
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

世界経済体制の単なる否定・破壊ではなく、いかにそれを脱構築し、オルタナティヴとして別様の世界経済体制を構築するか。ムンバイ世界社会フォーラムの立役者の一人であり、世界的に名高い反グローバリゼーション運動の旗手による最新刊の待望の邦訳。

日本語版序文 グローバル主義プロジェクトの危機とジョージ・W・ブッシュの新しい経済学
グローバル主義プロジェクトの危機/グローバル化の危機の三つの契機/ジョージ・W・ブッシュの新しい経済学/過剰拡張の政治経済学

第1章  はじめに:グローバル資本主義の複合的危機
勝利から危機へ/混乱する多国間主義/ネオリベラルな秩序の危機/問題視される企業/軍事的ヘゲモニーの亀裂/自由民主主義の劣化/地球規模のデフレの亡霊/運動の興隆/九・一一テロ以降の矛盾した潮流/帝国の過剰展開/自由民主主義の敗北/ポルトアレグレと未来

第2章 国際システムにおける南の周縁化
UNCTADの勃興/ブレトンウッズ機構vs国連開発システム/一九七〇年代における南の挑戦/右翼の反動と南の悪魔化/南の再従属/世界貿易機関:システムの第三の柱/G7:国際理事会?

第3章 多国間機関における民主主義からの逸脱
世界銀行/国際通貨基金/世界貿易機関

第4章 正統性の危機
IMFのスターリングラード/過去が追いつく/メルツァーと世界銀行/WTOのシアトルへの道

第5章 改革の変転、一九九八年から二〇〇二年
国際金融

"訳者あとがき
 本書は、Walden Bello, Deglobalization: Ideas for a New World Economy, Zed Books, 2002の全訳である。
 ウォールデン・F・ベロー(Walden F. Bello)は、片仮名表記に「ベロー」の他に「ベロ」「ベリョ」「ベリョー」などもあるが、長年同氏とかかわりの深いアジア太平洋資料センター(PARC)の表記を尊重して「ベロー」とした。
 米国のノーム・チョムスキーやハワード・ジン、カナダのミシェル・チョスドフスキー、インドのヴァンダナ・シヴァやアルンダティ・ロイ、マレーシアのムハンマド・イドリスやマーティン・コウにあたるような人(ネオリベラリズムや軍国主義へのラディカルな批判を展開する論客)をフィリピンで探せばベローが代表的であろうか。
 日本語版刊行にあたってチョムスキーに感想を求めたところ、「これは素晴らしい本で、推薦人に名を連ねられれば光栄だ」(I think it is a fine book, and would be glad to be listed among people who recommend it.)との返答があった。
 本書の原書の裏表紙に掲載されている推薦の言葉を訳出しておこう。
 「ウォールデン・ベローは世界の指導的な正真正銘の革命家である。平明に語られるョージ
 「明快な分析と印象的な学問的態度が、ベローをアジアの重要な進歩的知識人のひとりにしている」『ニュー・インターナショナリスト』誌(英国)
 「アジアで最も尊敬されている反グローバル化の思想家である」『ル・ソワール』紙(ベルギー)
 「主流派経済学は民衆のニーズに対する答えを持っていないと信じている綺羅星のような活動家、学者、思想家のなかでも、ウォールデン・ベローは抜きんでた輝きを放っている」『バンコク・ポスト』紙(タイ)
(後略)"

目次

日本語版序文 グローバル主義プロジェクトの危機とジョージ・W.ブッシュの新しい経済学
第1章 はじめに:グローバル資本主義の複合的危機
第2章 国際システムにおける南の周緑化
第3章 多国間機関における民主主義からの逸脱
第4章 正統性の危機
第5章 改革の変転、一九九八年から二〇〇二年
第6章 グローバル・ガバナンスの改革への提案―批判的分析
第7章 オルタナティブ―脱グローバル化

著者等紹介

ベロー,ウォールデン[ベロー,ウォールデン][Bello,Walden F.]
1945年フィリピン生まれ。米国に留学し、プリンストン大学で社会学の博士号、ニューヨーク州立大学で政治経済学の博士号を取得、カリフォルニア大学教員を経て、マルコス体制崩壊後帰国した。現在、フィリピン大学の社会学と公共政策の教授であり、バンコクに本拠をおくNGO「フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス」の常務理事である。平和運動と、企業主導のグローバル化に反対する運動の活動家であり、13冊ほどの著書がある

戸田清[トダキヨシ]
1956年、大阪市生まれ。大阪府立大学、東京大学で獣医学を、一橋大学で社会学を学ぶ。日本消費者連盟事務局、都留文科大学ほか非常勤講師を経て97年から長崎大学環境科学部助教授。専攻は環境社会学、科学史、平和学。長崎平和研究所研究員。長崎の自然と文化を守る会会員。長崎エスペラント会会員
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