朝鮮戦争と吹田・枚方事件―戦後史の空白を埋める

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  • サイズ B6判/ページ数 844p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750318714
  • NDC分類 309.31
  • Cコード C0036

出版社内容情報

17歳で共産党に入党した著者が、社会変革を信じて参加した、枚方事件・台風による水害の救援活動などをとおしてみた、終戦直後の、日本の若者や朝鮮籍の人々の懸命な姿。朝鮮戦争と共産党の政治活動の関連・当時の共産党組織への批判など、未発表の資料をふんだんに駆使し、知られざる戦後史を詳細に検証。

まえがき

第一部 吹田・枚方事件
前章 四国山地から――「野村騒動」異聞――
一章 枚方事件
1 枚方は兵器の町だった
2 旧枚方工廠爆破事件
3 小松正義方襲撃事件
4 獄窓の中で
5 枚方を平和の街に
二章 吹田事件
1 朝鮮戦争と日本共産党
2 平和と独立の夕べ、待兼山へ
3 遊撃隊の攻防
4 山越部隊と電車部隊
5 吹田争乱
6 総括を検証する

第二部 和歌山・奈良山村工作隊
三章 奥吉野巡歴
1 野迫川村水害救援隊
2 北股青春譜
3 河鹿の宿
4 山村工作隊の結成
5 立里の山小屋
6 最期の日記
7 大塔村飛養曾を訪ねて
四章 有田川遡上
1 花園村から清水町へ
2 女性町議の誕生
3 ある工作隊員の生涯
4 五村の疾風
5 独遊隊の結末
後章 軍事方針の行方
1 「六全協」をめぐって
2 「八尾飛行場」工作へ
3 町工場で働く
4 任務放棄
5 木の本に行く
6 中国紅十字会代表団の警護
7 四九年目の再会
8 「アカハタ」分局ヘ
9 ある工作隊員の死

解説――抵抗権と武装権の今日的意味
あとがき
資料 「球根栽培法」第二巻・第

内容説明

隣国の朝鮮半島で起きた朝鮮戦争時代に、日本における反戦闘争に参加した青年の精神史。

目次

第1部 吹田・枚方事件(四国山地から―「野村騒動」異聞;枚方事件;吹田事件)
第2部 和歌山・奈良山村工作隊(奥吉野巡歴;有田川遡上;軍事方針の行方)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

29
海一つ隔てた隣りの国で戦争が起きた(まだ終わっていないが)時の反戦への思いは今とは比べものにならないほど尖鋭的だっただろう。それを奇貨としてひと儲けしようとする資本家への怒りも理解できるし、武器を運ぶ列車を止めれば数百人の命が救われるのならば止めるのが正義だろう。同じ民族の艱難に痛切に苦しむ在日朝鮮人と、その思いを共有する日本の若者たちの、いかに稚拙であってもひたむきな反戦主義から出た実力行使を、それを使嗾しておきながら極左冒険主義として見捨てる共産党の無定見には呆れる。2021/02/12

kamakura

1
亡くなった活動家脇田さんの遺著。1950年代の共産党員としての熱い青春。吹田事件の舞台、吹田操車場がもう宅地化した中、彼らの「何としても朝鮮戦争を阻止する」心意気まで埋め立てられてはいけない。吹田操車場になだれ込んで、停車中の軍用貨車を襲撃する。「それだけでどうやって戦争が止まるんだ」とつっ込むなかれ。現代の「計算高い」日本の風潮では見向きもされない行動こそが、歴史を切り開いてきた。フランス革命のヴェルサイユ行進をやったおかみさんたちは?BLMの若者たちのデモは?やむにやまれぬ行動が歴史を変えてきたのだ。

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