出版社内容情報
家康以来、15代260年にわたり将軍を継いだ徳川家。3代家光・4代家綱期を中心に、家内の政治組織、奥と表、人生儀礼、女性などに着目して、家督相続、家臣団統制、祖先崇拝など「家」的支配の実像を明らかにする。
内容説明
家康以来、十五代二六〇年にわたり将軍を継いだ徳川家。三代家光・四代家綱期を中心に、家内の政治組織、奥と表、人生儀礼、女性などに着目して、家督相続、家臣団統制、祖先崇拝など「家」的支配の実像を明らかにする。
目次
プロローグ 列島の領主徳川家
1 徳川家内における政治組織
2 近習と「奥」
3 大名の類別と家臣団編成
4 「家」と人生儀礼
5 徳川家の家長としての将軍
6 徳川家の女性
7 嫡子家綱への家臣団譲与と新将軍の誕生
著者等紹介
野口朋隆[ノグチトモタカ]
1971年、埼玉県に生まれる。現在、昭和女子大学人間文化学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
12
家光・家綱期を中心に、徳川将軍家の家政を解説した一冊。細かい話が続くので、一読してすべてわかるといった類の内容では無いが、老中らが参画し、国政に関わる「表」の部分と、将軍のプライベート空間である「奥」の関係がキモかなと。家光期に奥を統括する役職であった「若年寄」が、家綱期には表にも関わるようになり、老中に次ぐ役目に変化する辺りは職制の変化を丁寧に追っている。また将軍は列島の支配者であると同時に、徳川家の「家長」でもあり、御三家や松平諸家との付き合いなど、親類関係にも心を砕かねばならない様子が印象に残った。2023/11/13
アメヲトコ
3
2023年4月刊。「家からみる江戸大名」シリーズの1冊目。総論編とありますが、徳川将軍家の家光・家綱期に絞った内容になっています。とくに家光期は未だ試行錯誤の段階で、幕府の職制も18・19世紀のイメージで捉えると色々見誤ってしまうのですね。2024/01/17