内容説明
「東亜新秩序」を掲げてアジア諸国に進出した帝国日本。日米交渉の失敗から、中国・イギリスだけではなくアメリカを主敵とする戦争へと突入する。日本の敗因を徹底検証。戦後六〇年を経た今、アジア・太平洋戦争を問う。
目次
日本人の戦争認識―プロローグ
1 アジア・太平洋戦争の開幕
2 日本軍の特質
3 緒戦の勝利と蹉跌
4 戦局の転換
5 アジアの戦線と「大東亜共栄圏」
6 銃後の諸相
7 絶対国防圏の崩壊から絶望的抗戦へ
8 降伏とその後
「記憶」の時代へ―エピローグ
著者等紹介
吉田裕[ヨシダユタカ]
1954年生まれる。1983年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。一橋大学大学院社会学研究科教授
森茂樹[モリシゲキ]
1966年生まれる。2000年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。久留米大学法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao
2
2007年8月1日発行(初版)。なぜ、圧倒的な国力の差があるアメリカとの無謀な戦争に突入したのか? という疑問から始まり、戦争終結までの「アジア・太平洋戦争」を概説している。様々な点で「目から鱗」で、引用された参考文献にも興味を持った。昭和天皇の「聖断」によって降伏が決まったという説、「遅すぎた聖断」によって原爆投下など戦争被害が拡大したという見方についても、「これらはいずれも昭和天皇個人にばかり照明をあて、彼を取り巻く政治的文脈を十分考察していない」と批判。戦後71年目の「終戦」記念日に読み終えた。2016/08/16
福田 順
1
アジア太平洋戦争時の日本の政治家、軍人に対してかなり厳しい評価をしている。開戦時日本が旗印にしたアジアの解放は朝鮮や台湾の独立に突き当たってしまうため、この時期に皇民化政策が行なわれた。2014/11/19