内容説明
近代日本最初の対外戦争!国民形成に決定的な役割を果たした日清戦争。朝鮮をめぐる日清の確執から台湾征服戦争まで、戦史を中心に全貌に迫り、近代日本の針路をアジア侵略へと導いた日清戦争を歴史的に位置付ける。
目次
1 日清戦争への道(清日の出兵と外交交渉;七月二十三日戦争)
2 朝鮮の占領(豊島沖輸送船団襲撃戦;陸の緒戦―成歓の戦い;敵は誰か;平壌の戦い)
3 清国領への侵入(本格的海戦―黄海海戦;遼東半島の作戦;遼川平原の作戦;威海衛作戦と北洋水師の潰滅)
4 決戦準備・講和・台湾征服戦争(澎湖列島攻略作戦;講和の交渉と下関条約;三国干渉;台湾征服戦争)
著者等紹介
原田敬一[ハラダケイイチ]
1948年岡山市に生まれる。1982年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学、博士(文学)。現在、佛教大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒナえもん 読書欲増進中
2
卒論の参考として必要な箇所のみ読みました。 日清戦争について、かなり詳しく解説されています。 特に日清戦争の経緯よりも開戦後の戦いについてメインに解説され、一つ一つの戦いが細かく取り上げられています。 戦争の全体像を捉えるというより、戦況や軍事戦略など細かなことが見れる一冊だと思います。
風見草
1
たいていは日露戦争の前哨戦程度に扱われてしまう、日清戦争の戦史です。前半は陸奥宗光の記述を中心に「被動者」という体裁にこだわる策謀や、高陞号事件の国際法上の処理などの外交戦、後半は戦線の展開が主な記述になります。その戦いには、糧食を現地調達に頼るための隊の分割、輸送にあたる軍夫の調達という前近代性、雪の中での交戦、旅順攻略と虐殺事件、直隷決戦の為に兵力を温存したい参謀本部が、突出部たる海城の固守にこだわる第一軍に引きずられるという統制の失敗……など、様々な局面があったことが分かります。2011/05/25
きさらぎ
0
読みやすくて判りやすい戦史。割と色んな面に目が行き届いている印象なので、日清戦争のイメージが掴みやすいです。