出版社内容情報
高学歴だが定職に就いていない「高等遊民」はいかに生み出され、社会はどう向き合ってきたか。過酷で理不尽な就職事情の歴史に迫る。高学歴だが定職に就いていない、優雅に見える「高等遊民」たち。近代日本社会はいかに彼らを生み出し、どう向き合ってきたのか。当時の就職事情を教育・産業から構造的に捉え、日本特有の「縁故」採用の成り立ちや高学歴者の思想と政府の対応など、就職難問題の実態を描く。「いい会社に就職する」のはあたりまえなのか、現代にも通ずる課題に迫る。
就職事情の今昔―プロローグ/就職ことはじめ(近代の職業選択へ/就職する高学歴者/就職難の発生)/日露戦争後の就職難(増加する「職業未定又ハ不詳」/就職の悲喜こもごも/卒業後の高望み?)/「高等遊民」問題へ(「危険思想」の不安/職業紹介所と「高等遊民」/「教育ある遊民」の処置問題)/大戦景気の影響(大戦景気と就職への好影響/好景気の中の学校増設/学校が紹介したけれど)/昭和初期の就職難(『大学は出たけれど』/就職哀話/就職戦線の内幕)/知識青年の行方(事後的な政策対応/自力救済的解決策の限界/さまよう知識青年/就職はしたけれど)/就職難の歴史から学ぶ―エピローグ
町田 祐一[マチダ ユウイチ]
1982年東京都生まれ。2009年日本大学大学院文学研究科日本史専攻博士後期課程修了。現在、日本大学文理学部助教、博士(文学) ※2011年1月現在【主な編著書】「1910年代初頭における東京の下層社会と職業紹介所(『メディア史研究』24号)「近代日本の小住宅供給事業」(『日本歴史』747号)
内容説明
高学歴ながら定職に就いていない「高等遊民」。彼らはいかに生み出され、社会はどう向き合ってきたのか。日本特有の「縁故」採用の実態をはじめ、当時の就活戦線を描く。今日も続く過酷で理不尽な就職事情の歴史に迫る。
目次
就職事情の今昔―プロローグ
就職ことはじめ
日露戦争後の就職難
「高等遊民」問題へ
大戦景気の影響
昭和初期の就職難
知識青年の行方
就職難の歴史から学ぶ―エピローグ
著者等紹介
町田祐一[マチダユウイチ]
1982年、東京都に生まれる。2004年、日本大学文理学部卒業。2009年、日本大学大学院文学研究科日本史専攻博士後期課程修了。現在、日本大学生産工学部教養・基礎科学系助教、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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