歴史文化ライブラリー
神都物語―伊勢神宮の近現代史

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642058056
  • NDC分類 175.8
  • Cコード C0320

出版社内容情報

天照大神を天皇家の祖先神として祀り、豊かな歴史を持つ伊勢神宮。近代国家により天皇を権威づける存在として大きく変貌するなか、それまで伊勢参りとして栄えた庶民の聖地も「神都」として生まれ変わっていく。戦前・戦後の変化する式年遷宮や、脱法人化、マスコミ報道など、時代状況に合わせて柔軟に変容する伊勢のダイナミックな近現代史を描く。

内容説明

天照大神を天皇家の祖先神として祀る伊勢神宮。近代国家により天皇を権威づける存在として変貌するなか、伊勢参りとして栄えた庶民の聖地も「神都」として生まれ変わっていく。時代状況に合わせ変容する伊勢の近現代史。

目次

伊勢神宮というパラドックス―プロローグ
「神都」の形成過程―明治期の伊勢神宮(近代の神宮と天皇の「大廟」;近代の宇治山田と地域社会;神苑会と「神都」の形成)
大正・昭和期の国民と伊勢神宮(一九二九年の式年遷宮;大正・昭和の伊勢神宮を語る;伊勢神宮の広報;伊勢の参拝空間)
戦後日本と伊勢神宮(終戦の危機と式年遷宮―一九五三年;伊勢神宮の「脱法人化」と式年遷宮―一九七三年;聖地と俗地の伊勢―一九九三年の式年遷宮)
伊勢神宮の現在―エピローグ

著者等紹介

ブリーン,ジョン[ブリーン,ジョン] [Breen,John]
1956年、ロンドンに生まれる。1979年、ケンブリッジ大学卒業。1993年、ケンブリッジ大学博士号取得。現在、国際日本文化研究センター、総合研究大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

31
現在、古代以来最大の参拝客を集めている伊勢神宮の近代史。同じ国家神道のしくみでも、西洋合理性と儒教の論理で近代人たちが作った他の施設と異なり、伊勢には古代の太陽信仰や皇室との関わり、そして御師の活躍による近世の「お伊勢さん」信仰といった多様な伝統がある。この本は、明治以降にその要素がどのように取捨選択され、何が守られ何が強化されてきたか冷静に追いかける。お参りすれば感じないではいられないあの「神々しさ」と、奉賛会に政財界のお偉方が名を連ね国との関わりを強めようとするいかがわしさの同居。さすがお伊勢さん…。2015/10/11

おさむ

27
外国人に、天照大神(あまてらすおおみかみ)と豊受大神を祀る伊勢神宮の歴史を学ぶとは皮肉なものです。明治以降、国家や天皇と大きく結びついた経緯がわかります。神宮大麻による資金集め、新聞報道の変遷、そして2013年の式年遷宮への安倍首相の参列と過去最高の900万人の参拝客。国家との結びつき強化がこれからの神宮に何をもたらすのか、注視していく必要がありそうです。とはいえ、遷宮前に行ったおかげ横丁の伊勢うどんは美味かったなあww。2015/09/30

koji

6
伊勢神宮は、私のライフワーク「日本人とは何か」を考える上での重要な鍵概念です。著者はイギリス人。イギリスには、日本の神社と祭りに相当する文化現象はないそうです。イギリス人には伊勢神宮はどう映るか。期待して読みましたが、ちょっと残念でした。明治以後に焦点を当てた着眼と分析には敬服しますが、期待した「イギリス人の宗教観との違い」を踏まえた文化論ではありませんでした。私が著者の研究領域を思い違いしていたからかもしれません。ただ、戦後の遷宮が高度消費社会である日本を代弁したものと分かり、この点は頭が整理されました2015/11/15

africo

4
伊勢神宮がどのように、江戸時代のフランクな聖地から、明治期に皇室の大廟として国家神道の中心部に位置したのか。そして戦後の神宮の立場は複雑さを増し、GHQにより一つの宗教法人となったはずの神宮が、政教分離の原則にも関わらず、皇室に対する公的位置を獲得しようと画策する一方、近年は宗教マーケティングによる一般への広報にも目を配る姿を描く。また、現在の伊勢市が神宮の変遷に伴い、都市成形に大きく影響を受けた様もよくわかる。門前町は数あるが、近代以降に伊勢ほど一つの宗教施設の影響が強かった都市ってあるのだろうか。2022/01/08

アメヲトコ

4
ありそうでなかった伊勢神宮の近現代史。変わらぬ伝統を体現するようでいて、その実態は時代の流れに絶えず影響され変容していたことがわかります。個人的には建築界での伊勢神宮言説についても少し触れて欲しかったところ。2015/07/22

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