内容説明
明治新政府は、社会の不平・不満を把握するため密偵・諜者を全国に派遣した。彼らはどう情報収集し、何を報告したのか。膨大な資料を博捜し、江戸時代の忍者・隠密と近代警察組織との間に位置する密偵たちの真相を解明。
目次
御庭番と警察のあいだ―プロローグ
密偵を追って
維新政府お抱えの密偵集団
教会に潜入した密偵
地方政情を探る密偵
消えた正院監部―密偵たちのその後
警察の密偵―エピローグ
著者等紹介
大日方純夫[オビナタスミオ]
1950年、長野県に生まれる。1973年、早稲田大学第一文学部卒業。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆぅ
5
明治初期の密偵たち。今までよくわからなかった時代の密偵の様子が史料を基に書かれており、とても興味深いです。警察組織もあいまいな戊辰戦争直後~西南戦争前後~警視庁再設置~その後と、密偵という立場の者たちがどの組織下にあり、どんな活動をしていたか、資金や手当てはどうなっていたか、詳細に記載されておりました。2019/01/28
穀雨
3
近代的な警察制度がなお確立していなかった明治初期に、全国で諜報活動を担った密偵たちの足跡が紹介されている。その職務の性質に加えて、わずか数年間しか活動しなかったこともあって、関連史料はほとんど残っていないようだが、数少ない史料からは、当時の社会状況の一端が垣間見えてとても興味深かった。2018/04/24
まつけん
2
「大隈文書」をはじめとする種々の遺された文書から、江戸時代の忍者・隠密と近代警察の間に位置する密偵について解明しようとする本で、読み難さはあったものの、とても興味深く読みました。こういった歴史をひも解く試みが、強行採決されようとしている法案によって、障害されてしまうことが懸念されます。2013/12/05
吃逆堂
2
明治初年の政府密偵の概説。内容はコンパクトながら、具体例が豊富でおもしろい。元密偵たちがその後まったく別の分野で活躍していて、そっちの研究ではほとんど密偵時代について関説されてないのが何とも意外。2014/02/04
onepei
2
そういう時代だからというべきなのか、「密偵」の名にふさわしいあやしさ。2013/11/02
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- 和書
- 典故の思想